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決意を込めて

今回は真面目成分多めです。

 ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。


 あ、こんにちは。なっちゃんです。今ヤバいです。

 一番ヤバいのはお前の頭だろ、と思ってるあなた。心外ですね。

 自分の頭の中はいつもオールレッドです。あれ? 違ったっけ?

 異常無しとか問題無いって言う時、オール何って言うんでしたっけ? オールブルー? オールイエローだったかな? 忘れました。とにかく、いつも頭の中はオールピンクなので大丈夫です。問題ありません。


 今ヤバいのは俺がいる街です。魔物の大群がこちらに向かって来ているようです。

 魔物には野生か飼われているかの二種類がいます。

 前者はあまり、数が多く無く、大体、単独で世界中のあちこちに生息しています。

 後者は飼育されているため、繁殖して数が多いです。しかし、飼育をしているのは全て魔族で、人間は飼育するのを禁じられています。魔族は自分達の手勢とするため、魔物を繁殖させています。


 そして、今、魔族に操られた魔物が群れをなしてこの街に攻め込んで来たのです。






「マジかよ……」


 男性の発した言葉に俺を含め、その場の全員が息を飲みました。


 誰が信じるか、そんな嘘、と一笑に付す事が出来れば、幸せなんでしょうね。ところが、必死の形相で広場に駆けこんできた男性はこの街でのかなりの有力者でした。この街でそれなりに暮らしていれば、一度は顔を見る機会があるでしょう。


 そんな男性の言葉を戯言だと、切って捨てる者はこの場にいませんでした。


 男性の言葉にその場にいた人々はパニックに陥りました。


 慌てふためく者、困惑して泣き出す者、呆然としてその場に立ち尽くす者、怒鳴り声を辺りにまき散らす者。


 そんな中、男性は極めて冷静な声で全員に声を掛けました。


「落ち着け! 狼狽えるな! もう、既に冒険者ギルドと国に救援を出した! よってこれから、魔族の迎撃に入る! 女勢は戦えない者達を連れて出来るだけ、遠くに離れるんだ! 男勢は武器を持ってここに集合だ! 救援の到着まで時間を稼ぐぞ!」



 男性の有無を言わせぬ声に一同はすぐさま、冷静さを取り戻して、行動に入りました。


 俺はカイン君に声を掛けます。


「聞いただろ。お前はここの人間じゃないんだから早く逃げろ」


 俺の言葉にカイン君は首を横に振りました。


「ごめん、それは出来ない」


「はあ? どうい……」


「これは、僕の使命だ。僕がやらなくちゃいけないんだ」


 カイン君は決意が秘められた両目を見開いて俺をみつめてきます。


「君に一目会えて良かったよ。今の君は昔と全然変わって無かった」


 カイン君は俺に笑いかけてきます。


「本当に嬉しかった。君は僕の最高の友人だ」


 カイン君の笑みは、温かく、優しくて、冷たくて、悲しげでした。


「頭である魔族を潰せば、魔物は烏合の衆になる。それなら、冒険者やこの街の人達でも対処出来るはずだ。一応、辿り着く前に削っておこう。メイファ、リルナ、レナ行くよ(・・・)


「はい」


「了解」


「うん」


 彼女達は至って落ち着いた態度でカイン君の言葉に各々返事を返しました。


 そして、彼らは俺に背を向けて、立ち去ろうとしていました。


「おい、何言ってんだよ。どういう事なんだよ」


 俺は思わず、カイン君の背中に声を掛けます。


 すると、カイン君は振り返って、唇を動かしました。


 さ よ う な ら、と。


 そして、再度、微笑むとその場を去っていきました。


 カイン君の言葉に俺はただ呆然とするしかありませんでした。









 広場に大勢の男達が集まってきているので、俺も武器を取りに家に戻りました。

 俺はこの街に来て、まだ半年しか経っていませんが、この街の住人です。

 知り合いも結構出来ました。

 仕事にも慣れてきました。

 この街には愛着が湧いています。

 なので、俺も戦います。

 街が蹂躙される様を指を咥えて、黙って見ている事は出来ません。

 前世では、無理だったでしょう。不可能だったでしょう。

 真っ先に逃げていたでしょう。

 でも、今は違います。

 カイン君が大怪我をして、ただ手を取る事しか出来なかった自分が嫌でした。

 俺にチートという能力があったがためにカイン君は一命を取り留めました。

 そして、チートのおかげでカイン君が助かった事に安堵して、その事に満足していた自分が嫌でした。

 ずっと後悔していました。

 あの時俺が魔物を倒せる力があれば。

 あの時俺が魔物からカイン君を守る力があれば。

 なんで、いつもいじめられていたカイン君を助けていたのに、あの時は体が動かなかったんだ。

 なんで、あの時の俺は無力だったんだ、と。

 だから、俺は街を皆を守るため、自ら剣を取る事にしました。

 村を出た後からずっと毎日欠かさず、剣の練習をしていました。

 剣の腕前は中級者程度です。

 魔物を相手にどれだけ通用するか分かりませんが、頑張って足掻いてみる事にします。

 カイン君達はどこかに行ってしまいましたが、何らかの手段を用いてやり過ごす事でしょう。なので大丈夫です。心配なんてこれっぽっちもしていません。

 だって俺の親友なんですから。


 広場に着くと、鎧を着たこの街の代表者が演説をしていました。


「皆の者よく聞け! 冒険者ギルドからの救援は後三時間程で到着するそうだ! しかし、国からの救援は後三日はかかるそうだ! よって、国からの救援は諦めろ! 三時間後に四百人の冒険者が援軍に来るその時まで、俺達で食い止めるぞ!」


「この街は人と魔族の戦争の前線から離れている! それにも関わらず、魔族が攻めてきた! 前線は完全に崩壊したと考えていいだろう!」


「魔物の数はゴブリンやトロール他約六百体! 対するこちらは約五百人で碌に戦闘を経験した事が無い者の集まりだ! 状況は絶望的だと言っていい!」


「だが、それがどうした! 何を恐れる! 我らが逃げれば、力を持たない女子供はどうなる! 家族は! 友人は! 恋人は! 皆魔物の腹の中だ!」


「ふざけるな! そんな事があってたまるか! いや、断じてならない! 勇気ある者よ、剣を取れ! 知性ある者よ、策をめぐらせろ!」


「我らが立ち向わなくて何とする! 尽力せんとして何とする! 我らは逃げん! 故に戦うぞ!」


「魔族の命令に従うしか能の無い魔物共に負けるつもりなど、毛頭無い! 皆の者、敵に背中を見せるな! 背中を見せていい相手は仲間だけだ!」


「皆の者共よ! 持てる力の全てを賭してこの街を守り通すぞ!」


 溢れんばかりの鯨波が空に響き渡りました。



語彙が貧困で申し訳ありません。

適宜修正していきます。

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