夏の盛りの一日
だらだらあらすじ書きましたが、まぁ気楽に読んでくれたらワシ嬉しい。学園物書こうと思ったら、なんかよくわからないものに(ry
――――女が嫌いだった。
五歳の時、姉に貰ったのは、罵倒の言葉だった。
「臭い、アンタ近づかないでよッ!」
「なんでそんなドロドロになって毎日帰ってくるのよ! 少しは部屋でじっとしてなさいよ!」
「キモい! 臭い!」
十三歳の時、妹に貰ったのは、蔑みの言葉だった。
「お兄ちゃんさぁ、ゲームばっかりやっててキモいよねぇ。なんで外で遊ばないの? 人間とか怖いの?
やっぱお兄ちゃんキモいよ……」
「近付かないでよ、彼氏が来てるんだから、アンタに見せたらどうなるか!」
女がキライだった。
今も、眼に入るだけで嫌悪感が腹の底を渦巻く。
短いスカートの女は妹を思い出す。
妙に馴れ馴れしい高校の先輩は姉を思い返す。
みんな、俺を睨んでいる気がした。
みんなキライだ。
勝手なことを言うくせに、自分には大して責任がないとうそぶいて、俺に全てを押し付ける。
キライだ。
キライだ、死んでしまえばいい。
そう思いながら、気がつけば十五歳になっていた。
「……行ってきます」
「奏夜、夕飯までには帰ってこいよ。俺も直ぐに帰ってくるから」
「あいよくそ親父……」
「くそは余計だ」
「やれやれ……」
――――そうは言っても、やはり家から離れることなんてできない。
実家の玄関を出て、直ぐに目に入るのは強い日差し。
今は十六の夏。
ゲームをするには家に居づらく。かといって街に繰り出せるほどに度胸があるわけでもなく。
外に出るには暑さと露出度の高い女の多さに、頭がやられそうだ。
図書館へ行こう。
誰にも会いたくない。
外はイヤなことばかり。
誰も関わらずに一生を過ごしたい。
今年も、暑くなるばかりでいい事はなかった。
暑さに頭をやられそうになりながら、俺はそう感じて、真夏の空を見上げた。
日差しが強くて、汗が垂れた。
今年も、暑くなりそうだった。
暑くなるだけの、普通の夏になると思った――――
「――――見つけた、『お兄ちゃん』ッ」
――――になるはずだった。
今年の夏は、特に暑かった。
心が潰れるくらい、重く暑い夏だった。
なんやね。久しぶりに書いたけどワンコでないと、ホント辛いわ・・・