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「ページをめくるたびに、君のことを知る」

作者: 雨宮 瑞月

この図書館の午後は、静寂に包まれ、彼の心を静かに満たしてくれる場所だった。だが、その静けさに変化が訪れたのは、彼女と出会ってからだ。彼女も彼と同じ高校生だろうか。背丈が少し似ている気がする。最初はただ目で追うだけだったが、1週間ほど顔を合わせるうちに、何度か目が合うことがあった。


彼女が席に座り、優しい眼差しで本を見つめる姿、肩まで伸びた髪が微かに揺れるたび、彼の視線が自然と引き寄せられた。「彼女は今日もここにいるのだろうか?」「どんな本を読んでいるのだろうか?」そんな思いが頭をよぎるたび、胸がじんわりと温かくなるのを感じた。でも、声をかける勇気はなかった。彼には、その勇気がなかったからだ。


しかし、ある本を見つけたことで、ついに彼は彼女に声をかけるきっかけを得た。


「この本、好きなんですか?」


その言葉が口から自然に出た瞬間、彼は少し動揺した。本当に声をかけるなんて思っていなかった。しかし、彼女は穏やかに微笑み、「ええ、とても」と返してくれた。その瞬間、彼の胸の中で何かがふわりと軽くなった気がした。


「……実は、僕も好きなんですよ。」


彼女と同じ本を好きだと言えたことが、彼にとってとても嬉しい出来事だった。図書館の静かな時間が、今まで以上に甘く、心地よいものに変わったように感じた。彼女がいるだけで、彼の心に余裕が生まれたような気がした。この日常がこんなにも特別で心地よいものに変わるなんて、思いもしなかった。改めて彼は思う。


「ここで働いててよかったな。」


バイトとして働く彼は、平日は毎日通っていた。だから毎日のように図書館に来る彼女のことが気になり始めていた。


その日から、彼はますます彼女が気になり、視線がつい彼女に向いてしまった。彼女が何を読んでいるのか、どんな表情でページをめくっているのか、それがとても気になった。しかし、少しストーカーじみて見られてはいけないと思い、必死に自制しようとしたが、すでに遅かったかもしれない。


そんな日常がしばらく続くと、彼と彼女の間に少しずつ会話が生まれるようになった。「今日も来たのですね。この本、僕のおすすめですよ」「ありがとうございます!さっそく借りていってもいいですか?」など、ちょっとした会話が続くようになり、彼女との距離が少しずつ縮まっていく気がした。連絡先の交換はしなかったものの、同じ本が好きな二人だから、ほんの少しずつだが距離は縮まっていた。それは、ほぼ当たり前の話だろう。


そして、ある日、彼は風邪をひいてしまい、一日図書館のバイトを休んだ。放課後から出勤できず、申し訳ない気持ちでいっぱいのまま図書館に向かうと、いつものカウンターにはまだ誰かが残って作業をしていた。「お疲れ様です」と言ってカウンターに座ると、作業していた人がじっと彼を見つめていた。どうしたのかと思っていると、パソコンに向き直り、何かの作業を始めた。おそらく、今月の入荷リストを作成しているのだろう。


「ほら、これあんたが気になってる彼女からだぞ」と言って、付箋を渡してきた。そのまま帰っていった。気になってる彼女って……? それより、付箋を見てみると、こう書いてあった。


「昨日、お会いできなくて寂しかったです。職員さんからお話は聞きましたが、お体、大丈夫ですか?」


その言葉を見た瞬間、彼の心は一気に跳ね上がったような気がした。いや、気がしたというより、跳ね上がっていた。自分がいないことで、彼女が寂しさを感じてくれていたなんて……何度もそのメモを読み返しながら、彼女の優しい声を想像してしまう。小さな紙一枚で、こんなにも嬉しく、こんなにも幸せな気持ちになれるなんて、彼は知らなかった。


そして、しばらくしてカウンター業務をしていると、彼女が訪れてきた。いつも見ている彼女の姿が今日も見られて、本当に幸せな気分だった。


「こんにちは、体調、大丈夫でしょうか?」


心配そうに尋ねてくる彼女の手には、先日借りていった本があった。今日はそれを返しに来て、そのまま本を読みに来たのだろう。そんな彼女に、仕事として接するべきか、私情を込めて接するべきか……。


「体調は大丈夫ですよ、ご心配おかけしました。その本は返却ですか?」 半分仕事、半分私情を混ぜて接することにした。彼女は安心したようで、普通に接してくれた。


「あ、はい。先日おすすめしてもらった本、よかったですよ。私、こういう話が大好きで……」そう話す彼女を見ている彼は、幸せな気分だった。カウンターには基本誰も来ない(貸出や返却は基本セルフだが、わからない人などが来るため)ので、少し話すぐらいなら問題ないのだ。その後、しばらく話し込んでしまったらしく、気づけば30分が経っていた。少しやらないといけないことがあったので、話を一旦切って、こう言った。


「ちなみに、明日この図書館は休館日ですが……よかったら、一緒に出かけませんか?」


彼女は一瞬驚いたようだったが、すぐにふわりと微笑んで「行きましょう!」と頷いてくれた。その瞬間、彼の頬が熱くなるのを感じた。彼女と一緒に過ごせる、ただそれだけがうれしくて、彼は眠れないほどの期待に胸を躍らせていた。


そして、休館日。彼らは町の小さな本屋を一緒に巡った。本を選んで彼女におすすめする。彼女からもおすすめされる。そんなやり取りをしていると、二人の間に自然と笑顔が増えていった。何件か巡った後、二人はおしゃれなカフェに入ることにした。二人とも5冊ほど本を買い、これを一緒に読もうと話していた。ただ、1日では無理だろうから、1冊ずつにしようという話もしていたけれど……。


カフェでのんびりと二人で、好きな作家の話や、好きな話、色々なことを話していた。本当に……本当に楽しい。静かなカフェでお茶を飲みながら、そんな話をするのは本当に楽しかった。そして……その時間が永遠に続けばいいなとも、同時に願っていた。そう願うほど、彼にとっては幸せなひとときだった。


そして、二人で出かけた翌日、再びバイトとして図書館に来る。昨日は楽しかったなと……そう思いながら、仕事を始めると、彼女が来館した。再び本を返しにカウンターに歩いてきた。彼女と目が合うと、笑顔を向けてくれ、同時に手を振っていた。本当にかわいらしくて、彼は心の中で何度も「ありがとう」とつぶやいていた。


彼女の存在があるだけで、彼の毎日はどこかふんわりと甘く、温かなもので満たされている。図書館の静けさが、彼女と一緒にいることで、かけがえのない居場所に変わっていく……。


それを彼は、静かにかみしめていた。


その後、二人は図書館で顔を合わせるたびに、何気ない会話を交わすようになった。彼女が本を返しに来ると、彼は自然に「次に読む本、決めましたか?」と声をかける。彼女は嬉しそうに「これ、読んでみようかな。あなたのおすすめ、すごく面白かったです!」と答えてくれる。


その言葉を聞いた瞬間、彼の胸は温かさで満たされた。彼女が自分のおすすめを気に入ってくれたことが、何よりも嬉しくて、何気ない一言が二人の距離を少しずつ縮めていくような、そんな気がした。


「実は、今日も新しい本が入っているんですよ。もしよければ、一緒に見てみませんか?」


そう提案すると、彼女は少し驚いた様子を見せた後、にっこりと笑顔を返してくれた。「それ、いいですね!ぜひ見てみたいです。」


その返事に、彼の胸の奥でほんの少しだけ鼓動が速くなるのを感じた。図書館の静けさの中、二人だけの時間がゆっくりと流れ始めたように感じた。静かな空間の中で、二人の会話がひとつひとつ溶け合っていく。その瞬間、彼は心から、このひとときがとても特別なものだと感じていた。


二人は一緒に本棚の間を歩きながら、お互いに最近読んだ本や好きな作家について話し合った。彼女が自分のお気に入りの本を紹介すると、彼も同じように本を手に取って、互いに共感を示し合う。そんな何気ない会話が、彼にとっては一番の幸せだった。


「これ、きっと面白いと思いますよ!読んだことありますか?」


「まだ読んだことはないけれど、面白そうですね。今度読んでみます!」


彼女がそう言うと、彼は少し照れくさくて、でも心の中で「嬉しい」と思った。彼女が自分のおすすめを気に入ってくれること、それがどんなに小さなことであっても、彼にとってはとても特別なことだった。


「じゃあ、この本、私が借りていきますね。」


「どうぞ。気に入ってもらえるといいな。」


本を手渡す彼の手が少し震える。彼女が嬉しそうに微笑みながら本を受け取ると、彼はその瞬間、胸がぽっと温かくなるのを感じた。彼女の笑顔は、何よりも彼を幸せにしていた。


「それでは、また明日。」彼女がそう言って、カウンターを離れていった。彼女の背中を見送る彼は、心の中で何度も「ありがとう」とつぶやいていた。彼女の存在が、彼の日常をどれだけ明るくしているのか、今さらながら実感していた。


その日の夜、彼は眠る前にあの言葉を思い返していた。「面白かったです、ありがとう。」あの一言が、彼の心の中で温かく広がっていく。図書館で過ごす時間が、彼にとってどんどん特別なものになっていく。


彼は静かに決心した。次に彼女に会ったとき、もっと自然に話しかけられるように、少しだけ勇気を出してみようと。彼女が自分に少しでも気づいてくれていること、そして彼が彼女にとっても少し特別な存在になりつつあること、それを彼は確信していた。


ただ一緒に過ごす時間が、こんなにも幸せなことだと、彼は静かに思うのだった。


図書館での日々が続く中、彼と彼女の間に少しずつ変化が生まれていた。最初は「ただの顔見知り」だった二人が、今ではお互いの存在が自然に「日常の一つ」として溶け込んでいった。


彼が彼女に話しかけたのは、あの日、本のことをきっかけにした。それから、彼女が図書館に来る度に、少しずつ会話を交わすようになり、次第に二人の関係は「知り合い」から「友達」に変わっていった。


毎日のように顔を合わせるたび、彼の心の中で彼女への気持ちは大きくなっていった。初めての会話を交わした時のドキドキ感が、徐々に心地よいものに変わり、今では彼女の笑顔が何よりも癒しとなっていた。


「今日もいるかな……」彼は図書館の入り口に立ちながら、そんなことを考える日々が続いた。彼女がここに来ると、どこか胸の中で安心感が広がるのを感じていた。彼女がどんな本を読んでいるのか、どんな表情をしているのか、それだけで、心がほんのり温かく満たされていくようだった。


その日も彼は、図書館に着くとすぐに彼女を探していた。静かな図書館の中で、いつも通り本に目を通している彼女を見つけると、心の中でホッと息をついた。だが、今日は少しだけいつもと違った気がした。


彼女の表情が、どこか浮かないように見えた。その目は、いつもよりも遠くを見ているようで、どこか心が迷子になっているようにも感じられた。


「どうしたんだろう…」彼は心の中でそんな疑問を抱えつつも、声をかけるタイミングを探った。普段なら何気なく話しかけることができるのに、今日はどうしても踏み出せない気持ちがあった。


図書館の仕事をしながら、彼はふと彼女の方を見た。彼女は本を読むのを止めて、窓の外を眺めているようだった。その顔が、少し寂しげに見えた。


「もしかして……僕に何かできることがあるのかな?」そんなことを考えているうちに、彼は自然と彼女のところに足を運んでいた。


「何かあったのですか?」と、彼が声をかけると、彼女は少し驚いたように振り向いた。彼女の目が、少しだけ澄んで見えた気がした。「あ、何でもないんです。」と彼女は微笑んだが、その笑顔には少し力がなく、どこか隠しきれないものが見え隠れしていた。


「もし、何か困ってることがあったら言ってね。」彼は軽く肩をすくめるように言った。それは、彼女が少しでも楽になってくれるなら、何でもしたいという気持ちからだった。


彼女は少し黙った後、「ありがとう。なんでもないんです。本当に……ただ、ちょっと考え事をしてただけ。」と、しっかりとした口調で答えてくれた。それから彼女は、少しだけにっこりと笑って、再び本に目を落とした。


その笑顔を見た瞬間、彼の胸は痛んだ。

彼女が辛い時でも、彼がその理由に気づけていないことが歯がゆく、少しでも彼女を支えてあげたいと思った。だが……どうしても言葉にするのが怖かった。自分が彼女にとって、どういう存在なのかがわからないからだ。


その後も、彼と彼女は少しずつ、日常的に会話を交わすようになった。最初はお互いにぎこちなかった言葉が、徐々に心地よいものに変わり、彼の中で彼女への気持ちが深まっていくのを感じていた。


そんなある日、仕事が終わった後、彼女がカウンターにやってきて、嬉しそうに言った。「あの、本当にありがとう。この前貸してもらった本、すごく面白かったんです!」その笑顔を見た瞬間、彼は心の中で決心した。


「君ともっと話したい。もっと、君のことを知りたい。」その思いが、日に日に強くなっていくのを感じた。


彼が彼女の笑顔を見た瞬間、その思いが一層強くなった。「もっと、君のことを知りたい」その気持ちが心の奥底から湧き上がってきて、どうしてもその思いを彼女に伝えたくなった。けれども、どう言葉にすればいいのか、彼はまだうまく整理できなかった。


その後も、彼と彼女は図書館でよく顔を合わせるようになり、自然と会話の回数も増えていった。彼女の笑顔を見て、彼は心が温かくなるのを感じるたび、自分の気持ちがどんどん大きくなっていることに気づいていた。それでも、踏み出す勇気がなかなか出せない。


ある日の午後、図書館の静かな雰囲気の中、彼女がいつも通り本を読んでいる姿を見つけた。今日は、少しだけその距離を縮めたくなった。


彼は迷った末に、ゆっくりと彼女の元へ歩み寄った。「あの……ちょっといいかな?」と声をかけると、彼女は顔を上げて彼を見た。「どうしたの?」と優しく微笑む。


「最近、君ともっと色んなことを話したいと思ってるんだ。」と、彼は素直に気持ちを吐き出した。「君がどんな本を読んでいるのか、どんなことを考えているのか、もっと知りたくて。」


彼女は少し驚いたように目を見開いたが、すぐに穏やかな表情になった。「そんなこと、私も思ってたよ。」彼女は恥ずかしそうに微笑んだ。彼の言葉に反応して、心の中で温かい気持ちが広がっていくのを感じていた。


「本当に?」彼の心臓が一気に高鳴る「でも、僕、君のことをもっと知りたいと思っている。君と一緒に過ごす時間が、もっと増えたらいいなって思うんだ。」


彼女はしばらく黙って考え込んでから、静かに言った。「じゃあ、今度一緒にお茶でもどう?」


その言葉を聞いた瞬間、彼の胸は高鳴った。彼女の言葉が彼にとって、何よりも嬉しいものに感じられた。「うん!ぜひ!」と、思わず声を上げてしまう。


その後、二人はその約束を実行に移し、図書館を後にすることとなった。静かな図書館の中では感じられなかった、少しだけ肩の力を抜いた時間が、二人にとって新しい一歩を踏み出す瞬間になった。


その日は、彼にとって、特別な一日となった。彼は歩きながら、これからの彼女との関係に胸を膨らませた。「きっと、この先も何度でも君と過ごしたい。」彼女と過ごす時間が、もっと素敵なものになる予感がしていた。


彼女との距離は、少しずつだが確実に縮まっていた。会話を交わすたびに、彼の心の中で彼女に対する気持ちは大きくなり、自然と彼女と一緒に過ごす時間を楽しみにするようになっていた。


そして、ついにその日が来た。彼女が彼に、お茶でも一緒に行こうと誘ってくれたのだ。普段、あまり感情を表に出さない彼だったが、その瞬間、顔が少し赤くなり、心臓が早く打つのを感じた。


約束の日、二人はカフェで落ち着いた時間を過ごしていた。静かな雰囲気の中、カフェの香りが心地よく、どこか異なる世界にいるような感覚がした。二人は互いに好きな本や映画、趣味について語り合い、まるで長い間友達だったかのように自然に話し続けた。


その時、彼はふと思った。「もし、これからもずっと一緒にこうして過ごせたら、どんなに幸せだろう」その気持ちが、はっきりと彼の中で芽生えたのだ。


それからしばらく、何気ない話をしているうちに、ふとした瞬間、彼女が静かに口を開いた。


彼女は少し俯き、顔を赤らめながらも、決心したようにゆっくりと口を開いた。「実は……」彼女はしばらく沈黙し、何かを言おうとするように口を開いたが、また閉じた。そして、深く息を吸い込むと、再び静かに言葉を紡いだ。「実は……」彼女の声は少し震えていた。


「私は、あなたのことがとても大切に思っているんです。もっと一緒に時間を過ごしたいって、ずっと思っていました。」言葉を言い終わると、彼女はすぐに目を伏せて、恥ずかしそうに微笑んだ。


その瞬間、彼は驚きと同時に胸が高鳴るのを感じた。少し間が空いて、彼女の言葉の重みがじわじわと彼の心に響いてきた。彼女の視線を避けるようにして、彼は小さく息をつく。「僕も……君のことが気になってた。」その言葉を吐き出すと、どこかホッとしたような気持ちも湧いてきた。


彼女は少しだけ驚いた表情を見せ、そして再び優しく微笑んだ。「本当に?」


その言葉に、彼は心からうなずいた。二人の間に、少しの沈黙が流れたが、それはお互いの気持ちが確かである証のようだった。



彼女の言葉が、彼の胸を強く打った。その言葉には、これまでの時間と気持ちが込められているようで、彼は少し動揺しながらも、心の中でその意味を噛みしめていた。


「気になっているんだ…」彼女の目を見つめながら、彼はその言葉を反芻した。自分の中で、今まで感じていたモヤモヤが少しずつ整理されていくのを感じる。


「でも、どうして?」彼は不意に、彼女に尋ねた。自分がただの「気になる人」から、どうして特別な存在になったのか、気になって仕方なかったからだ。


彼女は少し俯き、顔を赤くしながら、静かに答える。


「最初は、ただの顔見知りだったけど……あなたと話していると、何だか自然と安心するんです。あなたの笑顔とか、言葉とか、ほんの些細なことが、すごく心に響いて。それが、気づいたら他の人とは違って、特別に感じられたんです。」


その言葉に、彼の胸は温かくなり、嬉しさが込み上げてきた。そして同時に、自分の気持ちが今、どれだけ深く彼女に向かっているのか、改めて実感した。


「僕も、君といるとすごく安心するんだ。最初は、ただ図書館で顔を合わせるだけだったけど、君のことを知るたびに、もっと話したいと思うようになった。君の笑顔、君の声、君が読んでいる本……全てが僕にとって大切なものになっていった。」彼は、素直な気持ちを言葉にした。


その言葉を聞いて、彼女は少し照れたように笑った。彼の真剣な目を見返しながら、彼女の顔にも自然と笑みが広がった。


「本当に?私も、あなたがそんな風に思ってくれてるなんて……ちょっとびっくりだけど、すごく嬉しい。」


その瞬間、二人の心の距離は一気に縮まり、空気が一層温かく、優しく感じられた。互いの気持ちが確かなものになり、今までの迷いや不安がすっかり消えていった。


「これからは、もっと君と一緒にいたい。」彼は少し躊躇しながらも、その思いを口にした。


彼女も、少しだけ目を伏せながら、でも確かな笑顔で答えた。「私も。もっと、あなたと過ごす時間が増えたらいいな。」


その言葉が二人にとって、次のステップへの合図のように感じられた。そして、二人の関係がこれからどんな風に進展していくのか、二人の心は互いに繋がり、静かに確かめ合った。


二人の間に流れる空気が、静かで心地よいものに変わった。その時間が、二人にとって新しい始まりのように感じられた。何も言葉にしなくても、これから一緒に過ごす時間がもっと特別なものになっていく予感がした。


「じゃあ、次はどこに行こうか?」彼がふと口にすると、彼女は嬉しそうに笑いながら答えた。


「どこでもいいよ。でも、できるだけあなたと一緒にいたいな。」


その言葉に、彼は心の中で小さな喜びを感じながら、ゆっくりと彼女の目を見つめた。二人が歩んでいくこれからの日々を想像するだけで、胸が高鳴った。


「僕もだよ。」彼は優しく笑って、少しだけ手を伸ばした。その瞬間、彼女も自然とその手を受け入れ、二人の手がそっと重なった。


手を繋ぐことで、言葉では表現しきれない気持ちが伝わるような、そんな温かさを感じた。何も言わなくても、お互いの心はしっかりと繋がっていると確信できた。


彼はその瞬間、こう思った。「これから先、どんな時間が待っているのかは分からない。でも、君となら、どんな未来もきっと素敵なものになるだろう。」


二人の歩幅は自然と揃い、これからの未来に向かって、一歩ずつ踏み出していった。

この小説は、すでに書いてから半年は経過しています。なので私の妄想のお話になります!それより先に、読んでくださり、ありがとうございます!!!

このお話、名前が一切でてきませんよね?これは読者様の妄想力に任せよう!という安直なものではなく、自由に名前を入れてもらって、そこから自由に想像をしてもらおう!そういうものになっております!

名前を考えるのはそこまで難しいことではありません。そういうツールなども存在します。私個人の偏見なのですが、想像力豊かな人はクリエイターに向いているのではないか?と思うのです。

私自身想像力が足りない部分がありますが、それは人の観察、景色を見に行く、そのようなことを行って補っています!

そんな想像力を鍛えれる?のかな?と思いました。


でも、素直に私は小説の内容大好きなので読んでみてください!そして自分の名前と好きな人の名前を入れてみたり……(笑)

なんて、冗談ですよ!(笑)


改めて、ここまで読んでくださりありがとうございます!以上!小説の内容に一切触れないことで有名な私、雨宮瑞月の後書きを終わります!

次回作をお楽しみに!!!

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