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⑶『俺が死んだら土葬にしてくれ』
⑶『俺が死んだら土葬にしてくれ』
㈠
復讐というものは、意外に行われているものなのかもしれない。例えば、結婚後に、騙されたと分かった妻が、最後まで添い遂げるという名目の名の元に、復讐を始めている、ということなど。しかし、世間のそういった戯言はもうこりごりなのだ。
㈡
とにかく、何度も言うが、俺が死んだら、土葬にして貰いたいんだ。死にたくはないが、もしも死んだら、土葬にしてくれ、と言いたい。無論、火葬でも、俺が完全に死んでいて、火傷、というものをする感覚が絶対にないと保証されるなら、火葬でも良い。
㈢
しかし、どこの誰が、俺が本当に死んでいるなどと、判別出来よう。心臓の鼓動が止まった人が、また心臓の鼓動が動き出した、などと言う話を、何処かで聞いた様な気がするんだ。空耳かもしれないが、火傷が怖いから、頼むから、俺が死んだら土葬にしれくれ。