『俺が死んだら土葬にしてくれ』

⑿『俺が死んだら土葬にしてくれ』

⑿『俺が死んだら土葬にしてくれ』

㈠

埋葬の方法は、様々なんだろう。俺は、死が近づいたら、外国へ行くかもしれない。土葬が許されている国の或る民族を頼って、そこで少しの余生を送った後、土葬して貰うのだ。それが良い、それが良い、ゆったりとした死の後に。

㈡

日本と言う国が、昔は土葬だっただろうが、しかし、どうやら、現在の日本は、土葬は禁止ではないらしい。これは意外なことだった。特定の地域ではまだ、土葬されている様なんだ、そこへ行きたい、無理なら、海外へ行く。

㈢

土葬にしてくれるなら、俺は死の直前、全ての財産を渡しても良いから、土葬にしてくれ、と言うだろう。それほど、俺は火葬が怖いのだ。考えるだけでも、ああ、恐ろしい。土葬にしてくれ、であるからして、土葬にしてくれ。