プロローグ終 “断罪”
プロローグ最終回
俺は今日、スカミゴの護衛のふりをしていた。
朝起きた時、あの神様のおかげで、本当に奴隷解放していたのだ。
ルティ様に感謝。
あの腕輪がやはり、奴隷となった原因だったようだ。
腕輪が壊れれていた。
俺は、壊れた腕輪を壊れた部分を隠して、見えないようにして、奴隷から開放されたことがバレないようにした。
俺は、考えた。
明らかに、スカミゴは”悪”に分類されるはずだ。
スカミゴの悪要素について説明する前に、先に奴隷について説明しよう。
奴隷には、大きく分けて3つの種類がある。
借金奴隷、犯罪奴隷、そして違法奴隷である。
借金奴隷は借金をして、それが返済出来ない時になる奴隷のことで、借金の返済が終わるまで奴隷として働くというものだ。
ちなみに、本人の合意が必要で人権は保証されている。
簡単に言えば、日本の江戸時代の小作人人権多めverのようなものだ。
犯罪奴隷は、犯罪を犯した人たちがなる奴隷だ。
主に2つの種類で構成されており、軽犯罪奴隷と重犯罪奴隷だ。
軽犯罪奴隷は、軽犯罪を犯した者がなる奴隷で、最低限の人権はあるがそれ以外はなく、また、反省しきっていて行動で示すことがあった場合、開放されることがある。
重犯罪奴隷は、重犯罪を犯した者がなる奴隷だ。
人権?知らんなぁ。な奴隷。
開放されることはない。
つまりどんなことでもヤる事ができる!(意味深)
違法奴隷とは本人の合意無しで、犯罪者でもないのに無理やり奴隷にされた人たちのことだ。
つまり、強制的に奴隷契約をされたり隷属の道具で強制奴隷化された人たちのことだ。
俺はこれに当てはまっていた。
ちなみに、違法奴隷を扱うのは犯罪だ。
奴隷商の罪はこんな感じだ。
・違法奴隷の取り扱い。
・賄賂の横行。
・奴隷への無害な人への殺人の命令。
つまりスカミゴ=ゴミカスということなんですよ。
したがって、スカミゴは”悪”である。QED.
というわけで俺は、最初の断罪の対象として、スカミゴを断罪することにした。
だが、断罪をしようとしても、護衛が大抵側にいるため、タイミングが見つからない。
その時が来るまで気長に待とうと思った。
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そろそろかなと思っていた時、盗賊らしき人たちが集まってきて、馬車を取り囲み始めた。
「お前ら、盗賊を全員殺せ!」
遂にスカミゴがそう言い放った。
すると、スカミゴの側にいた護衛までもが、と盗賊討伐に参加していた。
ここだ!
俺はそう思い、護衛用として渡された短剣を持って、スカミゴのところまで駆けていき・・・スカミゴの心臓を一刺しした。
スカミゴは何も言えず、死んでいった。
こうして、俺の初めての断罪は終わったのだった。
断罪が終わって、盗賊団の壊滅が終わった後、奴隷たちにこのことを伝えると・・・
「俺達の食事はどうするんだ?」
とか、
「借金が返しきれてないんだが・・・」
と言われ、少し困っていた。
悪人というものは何処までも”悪”の心を持つ人のことだ。
例え、それが反省をしているように見えても、だ。
失敗した。
スタミゴが護衛として連れてきていた人はすべて重犯罪奴隷だ。
奴隷契約というものは、契約者が死んだら、一時的に解約される。
俺は、奴隷たちを放って置いた。
それが間違いだった。
俺は瞬く間に奴隷たちにロープで縛り上げられ、奴隷たちは逃げ出し、”商品”として売られる予定だった獣人族の少女も連れて行かれてしまった。
その時に、俺は幸か不幸か気絶をしてしまった。
そのおかげで、断罪神の神界に飛ぶ事ができた。
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「ルティ様?いらっしゃいますか?」
俺がそう呼びかけると、ルティ様が何処からともなくやってきた。
今日も素晴らしいお顔つきを見れて最高です。
そんなことをを思っていたら、ルティ様が若干顔が赤くなっているのは気のせいだろう。
「は、早かったね、試練達成するの。これであなたを使徒にするんだけど、なにか私にやってほしいことはない?もちろん私の出来る範囲でだけど」
「やってほしいことか・・・俺を縛り上げてきた、重犯罪奴隷たちを倒したいから、倒せるような力がほしいです」
「ちょっとまってね・・・よし、こんなスキルなんてどう?」
ルティ様が俺に表示したスキルは―――
ルティ様からスキルをもらってその説明を受けた後、俺は気絶から覚めた。
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目が覚めたとき、ロープで縛り付けられていたままだったから、もらったスキルを使ってロープを切った。
「とりあえず・・・あいつらはあっちに向かったか」
俺は奴隷たちが向かった方に向かうと・・・悲惨な状況になっていた。
奴らはあろうことか近くにあった村を襲ったのだ。
もらったスキルで村の生き残りを探すと・・・一部の女性や少女しか生き残っていなかった。
しかも、身ぐるみを剥がされた状態でだ。
まあ、つまりそういうことだ。
猫人族の奴隷の少女は無事なようだ。
俺はただ単純に一つのことを思った。
あの奴隷たち、クズさの度合いが天元突破してるな、と。
俺はそんなクズが昔から嫌いだ。
さっさと断罪してしまおう。
奴らのいるところへ行くと、奴らの1人がかなり強い力を持っていることがわかった。
もらったスキルの能力がそう言っているのだ。
そいつのステータスには、職業に《大盗賊》と書いてあった。
大盗賊は、奪うことに特化したスキルが多いらしい。
そのせいか、明らかにこいつが前まで持っていなかったはずのスキルである《礼儀》などのスキルがあった。
おそらく、奪ったのだろう。
奪ったと思われるスキルはすべて高レベルだった。
沢山の人を殺したのだろう。
俺は許せない。
俺はすぐにゴミの処理を行うために、スキルを使った。
「《断罪王》『邪悪排除』」
この能力は、自分より弱い邪悪な存在をすべて消し去るというものだ。
一番強いであろうやつ以外は塵となって消えた。
そいつは俺がこいつらを殺したことにすぐ気づいた様子だった。
すると、そいつはそこにいた女性や少女を・・・殺した。
そして言い放った。
「俺様の仲間を殺したから、こいつらを殺しても文句は言えないよな」
俺は思った。
ああ・・・
こいつは・・・
存在すべきでない・・・
俺が会ったゴミの中でも・・・
一番の―――ゴミだ。
俺は《断罪王》の『断罪剣顕現』を使って剣を呼び出し、ゴミと戦った。
俺がこのスキルを使って剣を呼び出すと、このスキルを奪おうとしてきたから、抵抗しようとした。
だが、相手の方が強かったらしく《断罪王》以外のスキルが奪われてしまった。
そんなことは俺には関係がない。
《断罪王》以外のスキルはあってないようなものだからだ。
ゴミは多種多様なスキルを使って、ゴミの如く俺を追い詰めてくる。
あ、ゴミの如くじゃない、正真正銘のゴミだった。
だが、俺は一方的に追い詰められて来られているわけでもない。
俺には、《断罪王》がまだあるからだ。
「流石に、不味いか?」
このままだとジリ貧だ。
だから、次で決めることにした。
「《断罪王》『天罰』」
その瞬間、そいつはこの世界の不要物となって消し飛んだ。
『天罰』は、強力な能力だが、デメリットとして、反動で動けなくなる。
また、『天罰』で死んだ者は、魂ごと消滅する。
魂を消し飛ばす能力なのだ。
戦闘が終わると、天の声?が聞こえてきた。
[《断罪王》スキルが一時的に凍結されました]
え?
・・・まあいいか
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奴隷だった猫人族の少女は捉えられていたが、乱暴はされていないらしい。
ほっと安心。
探すと、馬車の中に閉じ込められていた。
「大丈夫?」
「たすけて、大きな男の人達が私をさらった」
「そいつらなら、俺が倒したけど?」
「ほんと?・・・ありがとう。それと、私の名前はインシア」
ん?何でわかったんだ?
「俺はリュウタ。ところで、何で俺を信じてくれたんだ?」
「私には相手の心の色をみるスキルがある。貴方の色は今まで見た中で一番白いから信じた」
心の色?
「じゃああのゴミ共はどうだった?」
「ゴミ?」
「ああ、インシアを攫ったやつ」
「醜悪で汚い黒色をしていた」
ゴミはやっぱり本当にゴミでした。
話しているうちに、疲れが急にどっと来て眠くなったから、馬車内のスペースで寝させてもらった。
異世界に来て、ゴミばかりだがゴミがいなくなることを俺は願う。
今回見せた《断罪王》の能力は一部に過ぎません。
次回、1章開始。
来週の投稿はお休みします。ゴメンナサイ。