プロローグ3 ”崩壊”
本日は、イカ戦士と同時更新です。
俺達は奴隷にされて、奴隷商に売られた。
一週間ぐらい経つと、俺以外のクラスメイトは全て売られた。
俺が残った理由は単純で、他のクラスメイトよりはステータスが少し高かったからで、奴隷商の護衛にされた。
正直、俺は奴隷商の護衛なんてしたく無い。
だが、この腕輪のせいで、命令には逆らえないのだ。
ある日、俺は奴隷商の護衛として、都市の外へ出かけることになった。
俺がいる、奴隷商店はここ・・・トスイザ王国と言うのだが、その王都であるドルミダにある。
奴隷商は奴隷を今から行く土地の領主に売る為、都市の外へ行くらしい。
「おい、リュウタ。行くぞ」
「了解しました。スカミゴ様」
スカミゴというのが、奴隷商の名前だ。
成金のような格好をした、中年のデブ。
意外と、王都で一番の奴隷商らしい。
奴隷商は他の護衛も連れて、”商品”である奴隷を馬車に乗せると、自分自身も馬車に乗った。
俺は乗れない。
奴隷は、主人と同じところに座ることを許されていないからだ。
”商品”である場合のみ、同じところに座ることを許される。
今回の”商品”は、獣人族の猫人族の少女だ。
獣人族とは、動物の特徴を持った人のことだ。
例えば猫人族だったら、猫耳としっぽが生えている。
また、獣人族は全体的に身体能力が高く、魔法攻撃を苦手とする人が多い。
ここまでに、”商品”と何度も言っていたが、これは奴隷商がそう言っているだけである。
俺的には、人を”商品”とするのは、非常に良くないと思う。
馬車が出発した。
俺は、馬車の横で並走して歩いている。
進んでいると、怪我をした男が倒れていた。
俺は、声をかけてみた。
「大丈夫ですか?」
「た、助けてくれ」
「待っていてください。聞いてみます」
俺は、馬車の中にいる、スカミゴに聞いてみた。
すると・・・無視しろということらしい。
それでも、俺は何度も助けるようお願いしたが、すべて拒否され、最終的にその人を殺すよう命令された。
命令には逆らうことが出来ない。
抗うことも出来ないのだ。
俺は剣を持って、その男のところへ行き
・・・斬り殺してしまった。
何をやっているんだろう俺は、
なぜ人を殺さなければならないのだろう。
その人が今までどんなことをしてきたか知らずに、理由もなく殺さなければならないのだろう。
俺の中の何かが崩れた気がした。
その日は、一日中そんなことが頭の中でぐるぐる回っていた。
その夜。
野宿をしていて、その警護の交代時間が来て、ようやく寝る時になった。
あのスカミゴは、張ったテントの中で快適に寝ている。
俺もしっかり寝たいが、奴隷とまで堕とされてしまったから、そのへんの地面でしか寝られない。
俺は意識を落として寝た。
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目が覚めると、見知らぬ白い空間にいた。
「ここはどこだ?」
「ここは神界ですよ〜」
「うわっ!誰ですか?」
そこには、15歳ぐらい?の美少女さんがいた。
身長は150センチぐらいだろうか。
二つの丘は、大きさに俺は拘っていないよ!うん、拘っていないからね!まだ成長途中でも俺は気にしないからね!
異世界特有のカラフルな色ではなく、漆黒の髪をしていた。
そして・・・普通に俺のストライクゾーン必中だ。
「”うわっ”はないでしょ」
「それで、ここは何処ですか?」
「だから、神界だって」
「神界?」
「神界。私はここの神界の主である、断罪神ルティね」
「か、神様!?」
「そうだけどそんな珍しいことでもないでしょ」
「一般人からすると、雲の上のような御方ですよ!」
「そうなのかぁ・・・要改善させるよう上にお願いするかぁ・・・」
「神様の上って・・・どんな方なんですか?」
「まあ今度教えてあげるよ。それでね、あなたを読んだ理由はね、私の”使徒”になって欲しいの」
「”使徒”?某汎用の人型の決戦兵器のアニメに出てくる、天使の名前をしたやつですか?」
「あー、それではないね。あと、それ以上言うのはやめよう」
「はい・・・」
俺はこのアニメすごく好きなのに・・・
「”使徒”になって欲しい理由はね、この世界にも断罪神がいたんだけど・・・サボりまくってたから、私が断罪神になったの。それで、君が私のかわりに地上で断罪を執行して欲しいの」
「それはいいんですが・・・何を断罪すればいいんですか?」
「悪い奴」
「何を持って善悪の基準にすれば?」
「それはね・・・自分で判断ヨロシク!」
「それだと俺が間違えるかもしれませんよ」
「あなたは善悪の基準がはっきりとしているし、心も綺麗だから大丈夫だよ」
「俺は今日人を・・・殺してしまったのですが・・・大丈夫なのですか?しかも、ここに来てから罪悪感と言うものが無くなってしまったのですが・・・」
「それは命令されてでしょ。罪悪感は、これから断罪をする時に、罪悪感なんてあったら断罪できないでしょ。だから私が消したよ」
「罪悪感を無くすと・・・闇堕ちとかしそうで怖いのですが・・・」
「それに関しては君は大丈夫だと思うし、そもそも闇堕ちしたら、使徒は自動的に死ぬように設定されてるから問題ないよ」
使徒ってすごいな。
「・・・と言うわけで君には使徒になるための試練に挑んでもらいます!」
「試練なんてあるんですか?」
「当たり前でしょ。試練がなかったら今頃私は使徒を量産しているよ」
量産って・・・言い方よ。
「試練とは何をするんですか?」
「うーん、そうだねぇ・・・」
考えてなかったの!?
と言うより試練って神様本人が用意するものなの!?
「ちょっとうるさーい!心の中で悪口言わないで!」
読まれている・・・だと!?
「そうだよ。まる聞こえだからね!」
「え、あ、あの、どこから心を読んで・・・?」
「か、考え始めてからだよっ!」
何か声に動揺があったような気がしたが・・・気のせいのようだ。
「ってそんなことはどうでもよくて、試練だよ試練。試練は・・・悪を私の力を借りずに、断罪する事だよ!」
「自分の力ですか・・・ですが俺は今奴隷として、生きているから・・・あのブタさんに逆らえないのですが・・・」
「それなら大丈夫!今あなたは、魂だけでここに来ているのね、だから私が奴隷解放の魔法を魂にかけて、元の体に戻ったら、奴隷が自動的に解放されるようにしたから!」
仕事速っ。
「凄いでしょ。もっと褒めてもいいんだよ?」
「ワースゴイスゴイ」
「心にこもっていないけど?」
「最初しか感動というものはないんです」
「まあ取り敢えず魂を戻すから・・・試練頑張ってね!あ、それと、試練が達成されたら、その夜に私がまたここに呼ぶね!」
「ありがとうございます。試練を頑張らせてもらいます!」
「じゃあ、戻すね・・・」
その瞬間俺の意識はまた落ちた。
D A R K ★
神登場
龍太は、悪い奴にはとことん口が悪いです。
次回、プロローグ完結