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大樹の断罪者  作者: のこじ
プロローグ
2/5

プロローグ2 ”選別”

無事、クラス全員の鑑定が終わった。


「これから、ステータスの高い人から10人選別しますのでお待ち下さい」


そうレセルさんが言うと、神殿にいた人達が、奥へと向かっていった。

神殿内にいるのが、クラスの人だけになったから、ようやくクラスが緊張から解放された。

そしてそれぞれが、自分のスキルについての大自慢会が始まった。


「俺は《身体強化(大)》を持ってるんだぜ」

「俺だって《魔力回復(大)》持ってるぞ」

「まあまあ、そんなことよりあいつ見ろよ。《身体強化(微)》しか持ってねえぞ!」

「しかもステータスに変な文字化けまであるし」

「気色悪りぃな」


やはりゴミはゴミだな。

常に自分が他者より優れていると思いつつ、自分たちと違っていたら、寄ってたかって潰そうとする。


俺は、そんな奴らが嫌いだ。

最近は人それぞれの個性と言って、そういう雰囲気も無くなり始めているが、心の奥底ではまだそういう差別が残っている人もいる。

こいつらは、わざわざ口にすることでもないのに、堂々と口にしている。

それが、その言葉を聞いた人が、どう思うかなんて知らずに・・・。


「私が、そんなステータスを持っていて、何が悪い!」

「いや、でも気持ち悪ぃじゃん?」


怒りが爆発してしまったのだろうか。

彼女・・・谷村さんは、普段からそういう”からかい”を受けていなかったのだろう。

そんな”からかい”は、”無視”に限る。

これが俺の持論だ。

異論は認める。

まあ、そんなことを言えるほど、”からかい”と言う名の虐めに慣れている俺が言うのも何だが。


俺は、彼女に何もすることが出来ない。

・・・というわけではない。

俺が仲裁に入れば、虐めの矛先が俺に向くだけで済むはずだ。

だが、俺はそんなことを出来る勇気がない。


何も出来ずにいると、レセルさん達が戻ってきた。


「なにやら騒がしいですが、10人の選別が終わりましたので、発表をしていきたいと思います」


レセルさんが、そう言うと急にその場が静かになった。


「静かになったようですね。呼ばれた人は、ここに残って下さい。呼ばれなかった人は、個室が用意しておりますので、お使いください。明日、またお呼びします。では呼びます。まず一人目、大原祥太」

「ま、俺が呼ばれるのは当たり前だな」


虐めてきたやつ。


「二人目、山田(やまだ)(けい)

「俺が選ばれた!?よっしゃぁ!無双!」


オタク。


「三人目、菊池(きくち)友美(ともみ)

「アタシかぁ。めんど」


ギャル。


「四人目、金川(かねかわ)金雄(かねお)

「ボクが選ばれるのは当たり前だね」


金持ち。


「五人目、笹木(ささき)静音(しずね)

「・・・」


無口。


「六人目、山川(やまかわ)海尾(うみお)

「あー。うん。がんばる」


自己完結マン。


「七人目、大田(おおた)ナツミ」

「ちょっと頑張ろっかな」


クラスの?マスコット。


「八人目、岡村(おかむら)優木(ゆうき)

「やりたくねぇ。面倒だ。」


面倒くさがり屋。


「九人目、堀田(ほりた)嬢子(じょうこ)

「アタイが魔王とやらにカチコミに行ってやるよ!」


姉御。


「十人目黒沢(くろさわ)鳴人(なるひと)

「フフフ、俺の中にある、漆黒の奈落がすべてを食らいつくしてやる」


厨二病。


「以上となります」


俺は、呼ばれなかった。

呼ばれたら絶対強いであろう、魔王を倒さなければいけないから、嫌だったのだ。

だから、呼ばれなくてよかった。

とかは、どうでも良くて・・・キャラ濃いな。

すごく濃い。

そうでもいいことを考えていたら、俺たちはそれぞれの個室に送られた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

次の日


俺達は、昨日召喚された大広間に来ていた。


ちなみに、ベットは寝心地が案外良かった。

どうでもいいが、朝起きた時、


「知らない天井だ・・・」


と呟いてみた。

効果は特にない。


閑話休題(まじでどうでもいい)


大広間には、昨日呼ばれた人以外が来ていた。

すると、レセルさんがやってきた。


「おはようございます。元気そうで何よりです。本日は、あなた方に渡す道具があります」


そうして、俺達に腕輪のようなものが渡された。


「今渡したこの腕輪を腕にはめて、こう呟いてください。《契約》と」


俺達は、迷いもなく、呟いてしまった。

《契約》と。

それがどんな意味を成すのかは・・・。


「ご契約、ありがとうございます。あなた達は、この国の、”奴隷”となりました!」

「は!?そんなこと聞いてないぞ!」

「なぜなら、言ってませんから」

「ふざけるな!」


1人が、反抗をした。


「『動くな』」


その言葉1つで、そいつは動かなくなってしまった。

おそらく、奴隷となったからであろう。


「反抗をしようなんて愚かですね。上から、10人以外は使えなさそうですし、売り払っちゃいますか。少しの金にはなるでしょうし」


何も出来ない。

あのレミアの言いなりになってしまう。

しかも、あいつは俺らのことを”金”としか思っていない。


なぜだ?


なんでなんだ?


なんで人は、こんな心が汚いんだ?


教えてくれ・・・

思っていたよりもダークになりました。

安定のクラスメイトのクズさ。

レセルもクズです。

名前は全く思いつかなかった。

プロローグはあと2、3話で終わる予定です。

次回は一週間後で、イカ戦士と同時更新です。

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