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58 おしゃべりとの遭遇

シエルに問い詰められながら、魔導図書館に通っていたことを報告する。

「まぁ、先人たちの魔術を参考にするのは大いに結構だけど」

意外にもあっさりと流された。

すると空を見上げ始め、シエルは腰から出した拳銃?を空に向けて発砲した。

空に青色の光が灯り、ゆっくりと降下している。

照明弾?

「ここのギルド所属の航空警戒班に降りてこい、って信号弾だよ」

赤色は緊急加勢。黄色は増援依頼。青色は報告依頼。

しばらくすると、空の彼方から何かが接近してくる。

「って!グリフォン?!」

グリフォンに跨る冒険者がゆっくりと降下してくる。

「いやぁ、さっき大魔法を感知して偵察してたんですが、中々の状況ですね」

「わざわざ悪いね、討伐確認とギルドへの先行報告を頼みたくて。ほい、ハジメちゃん」

え?何で呼ばれた?

「以前の魔力感知での総数は1100匹程度でしたけど、こりゃ全滅してますね。冒険者カードの提示をお願いします」

言われるまま冒険者カードを出すと、何やら読取機みたいなのをかざされる。

「加藤一さん。Bランクですね、今回は特例として討伐証明の納品は免除されているはずです。ただ、観測班の総数を報告する形になりますが、宜しいですね?」

なるほど、総数の誤差は目を瞑れと。

まぁ、持って帰る訳にもいかないし、仕方ないことだ。

それで報告をお願いすることにしよう。


(!!!!!!!!!)


念話?

何か物凄い早口で聞き取れないが、確かに、念話が来た。

辺りを見渡す。


(!!!!!!!!!)


居た。

丘の上に何かが居る。

ただ何を言っているのか分からない。

ちょっと怒っている気味な口調にも聞こえなくもない。

オオサンショウウオの討伐に出向いていた他の冒険者だろうか。


(!!!!!!!!!)


丘の上の何かが立ち上がった。

遠距離だが鑑定眼が届くはず。

ハイオーク?

え?顔は見えないけど、あの二足歩行する豚の魔物?

ハジメちゃん、後は俺が話しとくから、行っといでぇ」

シエルは何かを知っている様だ。ニヤニヤしているのが気になる。

シッシッ、と手を払われるので仕方なく、丘の方に向かって歩き始める。


(!!!!!!!!!)


うーん、やっぱり聞き取れない。

怒ってる口調には感じるが、敵意的なものは感じない。

ある程度近付くと、こちらを警戒してか、他の魔物たちが立ち上がる。

ハイオーク1匹、オーク10匹。

あれ?オークは匹なのか?体なのか?

取り敢えず声を掛けてみることにする。

「あのー!念話が良く聞き取れないんで、直接喋れますかー!」

「何と!?人間が、オーク語を話している?!」

ハイオーク一行がざわついている。

万能言語様様である。

「そこの人間!何故、オーク語を喋れる?!」

「まぁ、勉強しましたから」

いや、エクストラスキルのお陰です。

「そこの人間は、鎧を見るに、冒険者で間違いないな?!」

「まぁ、そうですけど」

「それならば結構!あちらに転がる魔獣の扱いを賭けてブヒと決闘するのだ!」

一人称ブヒ、なんだ。

「おい、ブヒ!ブヒの決闘審判をするのだ!ブヒたちは黙って下がるのだ!」

ブヒブヒ言ってるけど、自分=ブヒ?お前=ブヒ?二人称も三人称もブヒなの?

「ブヒの決闘をブヒは応援するのだ!」

ブヒブヒ言って混乱しそうになるが、どうやら通じ合っている模様。

オークたちの指揮は高いようだ。

「いや、別に全部持って帰る訳じゃないんで、皆さんで大半は自由に持ち帰って貰って結構ですよ?」

「そうか!……ん?ブヒの決闘無しでも、良いのか?」

木製の棍棒を振りかざしたのは良いものの、やや混乱している。

「こんな大量の魔獣、独り占めしたりしませんよ。別に討伐報酬が出ますから」

「そうか、冒険者はそういうものだったのだな。でも本当に良いのか?決闘もなしで」

このハイオーク限定なのか?そもそもオークの生態を詳しく知らない。

冒険者の獲物をいきなり横から掻っ攫うような真似はプライド的にしないのか?

「感謝するのだ!お前は今までの冒険者とは違うようなのだ!それではブヒたちは他の村々のブヒたちに集合を知らせてくるのだ!」

いや、そもそも念話が聞き取れないのだ。

他の冒険者たちも決闘を持ち掛けられているが、結局のところ戦闘になっているだろう。

ハイオークを残して、オークたちは走り去る。と言っても、鈍足だ。


戻ってみると、グリフォンと、グリフォンライダーの冒険者はもう居なかった。

ハジメちゃん、そのおしゃべりと話は出来た?」

「おしゃべり?いや、まぁ、オオサンショウウオの大半はオークにあげることにしました。マズいですかね?」

「オークの念話は早口で普通は聞き取れないんだよ。オークも通じないから沢山喋る。だからお喋りって呼ばれてるの。それにしても、大半じゃなくて全部あげなよ。オオサンショウウオの素材は大して使えないし、肉も不味くて食えたもんじゃないから」

通称、おしゃべり。なるほど、そういうことか。

「何か美味しくない肉みたいですけど、良いんですか?」

一応ハイオークに聞いてみる。

「ブヒたちにとっては美味であるし、魔力が大量に含まれていることもあって注目の食材なので、問題無いのだ」

魔物と人間では味覚に差が出るのか。

そういえばゴブリンたちとはボア系の肉を共に食したが、あれはたまたま双方にとって味覚が一致しただけのことなのだろう。

「それにしても、注目食材なんですね。定期的に繁殖するみたいですから重要な食料源ですよね」

「そういう訳でもないのだ」

ん?注目の食材を積極的に狩らないのか?

「ブヒたちの武器は殆どがこれなのである」

ハイオークは手にした木製の棍棒を見せてくる。

棍棒と言うよりは丸太だ。持ち手部分は石か何かで潰して持ちやすくしている様だ。

あ。

オオサンショウウオは全身がヌメヌメに覆われている。

打撃属性の武器では相性が悪いのだろう。

「んじゃま、持ち帰りやすいように解体しましょうかね」

シエルはアイテムガレージから日本刀を取り出し、火の斬空で綺麗に解体していく。

ビーは大剣で大まかに叩き斬っている。

頭、手足、尻尾、胴体は適当に小さくすれば、良いだろう。

あと、軽く火魔術でヌメヌメを蒸発させておくのも忘れない。

「ブヒも何か手伝えればいいのだが」

「じゃあ、持ち帰りやすいように整頓して貰えますか?」

こうして、シエル、ビー、ハイオークとで、大量のオオサンショウウオを処理していくのだった。

読んで下さり有難う御座います。

ブックマークや評価などで一喜一憂したりもしますが、指摘などを頂けると幸いです。

今後とも宜しくお願い致します。

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