16 魔術解明
そう言えば魔法の練習をしていてカレンについて気になったことがあった。
瞳の色だ。会ったときは黒だった気がするのだが、練習を終える頃には緑に変わっていた。
「カレンさんの瞳の色って最初から緑でしたっけ?」
「今、緑ですか?私、魔力残量によって瞳の色が変わる体質なんですよ。黒色は満杯、緑、黄、赤で変わるみたいなんですよ」
信号みたいだ。特異体質みたいなものだろうか。
特別病室がこれからの自室になると言われた。カレンは他にも職員用の食堂やバスルームなど、日常生活に必要な設備を教えてくれた。自室には情報端末も設置されており、勉強には十分だろう。
魔術は四代元素を複合的に行使するとのことだったが、簡単に言えば火と水を同時に出せば、お湯になる。これも魔術のようだ。
火&土で金属。錬金術、溶岩術。
水&土で樹木。樹育術、治癒術。
火&風で火炎。炎獄術。
水&風で氷。氷結術。
風&土で砂。砂塵術、風化術。
火&水で生命。再生術。
火&水&風で雷。雷撃術。
これらが魔術の基本のようだ。今後はこれらの習得を進めて行こう。
しかし、データベースではそれ以上の情報も手に入った。獲得している応用魔術適性ではカバーできない魔術もあるようだ。
高位魔術とされる、光魔術、闇魔術、空間魔術。
どうしたものか、いずれは習得できるのだろうか。教授に相談してみるのもありだろう。
そうこうしていると、眠くなってきた。
そう言えば、眠いという感覚は初めてかもしれない。水槽内では眠っているのかよく分からなかった、目を閉じているだけの時もあった。そう言えば、魔力総量は数値化されているのだから、体力はどうなんだろう。いや、今はベッドがいい。眠って起きたら、その時考えよう。
「一さん、朝ですよ」
カレンの言葉で目覚めた。何も夢を見なかった。相当深い眠りに付いたのだろう。眠ってから起きてまでが、一瞬だった。机に食事が置かれている。
カレンの瞳は緑のままだった。
「教授は今日、忙しいですかね?」
カレンは腕時計の端末からファイルを表示させ、スライドして何かをチェックしている。
「昼の会食後に仮眠っぽい予定を入れてますね。教授の不機嫌覚悟で行きますか?」
チェックしていたのはスケジュール表だったようだ。教授で、研究所の所長と言う立場ならスケジュールは細かく組まれているだろう。
最近は付きっきりで研究対象を変更していたと言っていたし、本来の研究の調整をしなければいけないだろう。そう考えると、あまり頼り過ぎるのもよくないだろう。
「どう言う用件でした?」
「高位魔術と、今後のこととか」
「今後のことですかー、それは教授に聞いた方がいいかもですね…」
カレンは少し考え、何かを思いつく。
「それなら、指揮官殿を呼びましょうか?」
「指揮官?どんな人ですか?」
「一さんを最初にここに運んできた人ですよー。何回か顔も見せに来てもいましたよ?」
シエルのことを言っているようだ。あの人なら確かに色々相談できる気がする。
そうだ、呼んでもらおう。
現状、遅々として進まない話ですが、少数ですがブックマークしてくださった方がいると知り、感激です。今後ともよろしくお願いいたします。




