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11 キューブ職人

キューブの錬成を初めて1週間。やっと標準規格に合わせることが出来た。最初はドンドン錬成するものかと思っていたが、錬成に失敗、標準規格に合わない物は教授が分解してくれた。

更に1ヵ月。また新しい水槽に移動した頃には魔力の扱いも慣れて来て、標準規格のキューブの錬成に成功した。

成功した標準規格は5センチ角が小型キューブ。25センチ角が中型、50センチ角が大型とあるらしい。マンションなら中型キューブ1基、戸建て住宅なら大型キューブ1基で、1ヵ月生活が出来るらしい。

とりあえず今は中型の圧縮加減を練習し、次は大型。その更に次は大量の屑魔結晶から、複数の小型キューブを錬成、と言うのが教授の出した課題だ。

最初こそ魔力を無自覚に圧縮に使っていたが、今は疲れると言う感覚は無い。そもそも魔力総量が高いのだが、どれ位錬成したら魔力切れになるのだろうか。

「そもそも物質を特定圧縮してるだけで、そんなに魔力は消費しないわよ。錬金術士が大規模で高等な錬成でもしない限りは、魔力切れになるようなことは無いわね。その前に魔力減少で気絶するわ」

だから下位の錬金術士の仕事なのか。でも社会的には十分意義のある職業だ。

「魔力切れ、体験してみる?」

魔法はまだ使ったことが無いし、さっき説明されたような圧縮作業では魔力消費は少ないと言うのに、どうすれば今の魔力総量で魔力切れが体験出来るのだろうか。

もしかして教授は魔力吸収とか使えるのか?!

「私、今はほぼ魔力満杯状態なの。それで魔力吸収してもこの部屋に溢れ出すだけ」

では如何に?

「自分の魔力をキューブとして具現化してみせなさい。これは普通に魔術を行使するより辛いわよ」

なるほど、今まではある物を圧縮していたが、無い物を圧縮すると言うのは難しそうだ。魔力を放出しつつ、それを拡散させずに圧縮するイメージだろうか。

まぁ、考えても仕方ない。ダメなら他のイメージで行こう。

両手に集めた魔力を…ダメだ、放出した魔力が左右でぶつかり流れ飛んでいく。このイメージはダメなのだろうか。

じゃあ、まず最初に核となる魔力玉を作り、膜を何層も覆っていけば大きく出来るのではないだろうか。うん、これで行こう。

両手の間で魔力がぶつかり飛んでいく魔力を、更に魔力で覆うように押さえ込んでいく。ある程度大きくなると、魔力の粘度が操れるような感じになってきた。液状に近い形状の魔力を、固体の魔力に触れると凝固させる、これを繰り返していると、いつの間にか50センチ角の大型キューブにまでなっていた。

「1回のミスで、ここまで補正するとは中々器用ね。もっと無駄に魔力を消費すると思ったんだけど、成功したからにはこれ以上やっても無意味ね。部屋がキューブだらけになるわ」

疲れるは、疲れるが、魔力切れを感じない。とは言え、今後は課題のキューブ錬成を屑魔結晶無しで錬成をしていこう。

だが、

「その課題は終了よ。あなたの入ってる水槽は魔力の液体よ。あなたが魔力を使って消費しても、水槽の魔力があなたに浸透吸収してあなたの魔力に変換されるの。さっきのは冗談なの。あなたが魔力切れを起こすことは無いわ。それはこの研究所の魔力切れを意味するのよ」

そんな仕組みだったのか。

「と言う訳で、あなたには別の課題を考えてあげるわ。とりあえず今はキューブ職人の称号で我慢しなさい」

おぉ、そんな称号があるのか。

「浅い意味も無いわよ」

なんだよ。

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