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フォニックス 運命の始まり  作者: ことこん
第二章 まさかの依頼
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第四部 真相と覚悟

 気づいたら、ギルドがやって来た。

「お疲れ様です」

「ありがとうございます。ギルド様って警察だったんですね」

「はい。コウの動機が分かったので、伝えに来ました」

コウは元々は普通の家に生まれ、平穏に暮らしていた。しかし、父親の死によって、生活が苦しくなり、止むを得ず野菜を盗んでいたそうだ。そう聞くと可哀相にも思えてくるが、

「それでも野菜泥棒はしてはいけないこと。他の方法もあったはずです」

とギルド様がピシャリと言い放ったのには絶句した。その時、「エント君。僕決めたよ」

とソウマが言った。

「コウを僕の部下にします」

「それでいいのか?」

「うん。任務と家事の両立は難しいだろうし」

「ソウマさんが良いのなら、それでもいいですよ」

この世界は、罪人の罰は退治した人が決めることになっている。戦いに強い者が有利になるのだ。

「それでは、私はこれで」

ギルド様はその場を離れて行った。

「やっぱり、すごいよソウマ!」

「そんなにすごいことじゃないよ。あの技でほとんど妖力使っちゃったし」

「でもすごいよ!特に分身を見抜くやつ!俺にも教えてくれ!」

「いいよ。またやろう」


 その頃、スインとアインとツーハは公園のベンチに座っていた。姉さんが腕を回しているのを見て、

「姉さん、肩痛めたの?」

「いやあ、変な角度で技出したら肩痛めてしもた」

ツーハちゃんはもぐもぐとおやつを食べていた。

「おねえさんたち、すごかったー!」

「いやいや、ソウマさんの方がすごかったよ」

「でもおねえさんのおかげでやさいどろぼうみつかった!」

「そう言ってくれるなら嬉しいわ」

「きめた」

「えっ?」

「ツーハ10さいになったらフォニックスはいる!」

「さすがにそれは…」

「きめたものはきめた!ライにいとエンにい、スインさん、アインさん、ソウマさんとたたかってあくをたおーす!」

「可愛いなあ。じゃあ、それまでにいっぱい練習しやなあかんで」

「姉さん…」

「うん!するする!いっぱいして、ちょーつよくなって、いちげきでたおしてやるー!」

まさか、この言葉が現実のものになるなんて、この頃は考えもつかなかった。

それは、小さな2つの約束が交わされた平和な午後だった。

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