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フォニックス 運命の始まり(年明けより大幅改稿予定)  作者: ことこん
第十八章 月の従者
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第二部 フウワの約束

 私が何をしたって、何の効果もないことくらい分かってる。だけど、何もしないなんて、そんなことはできない。そうしたら、あの約束を破ることになるから。弟と、別れる日のことだった。

『姉ちゃんは、この世界で何になるの?僕からしたら、戦士とか向いてそう。だって強いもん』

『ありがと。フウガ。でも、私に戦士は向いてないと思うぞ。臆病だし、何より半妖だから。妖力が少なかったら、話にもならないだろう。でも』

私は立ち上がり、青空を見上げた。

『どうせなるんなら、どんなやつでも立ち向かう、勇敢な戦士になりたいな』

『約束だね、姉ちゃん』

私は、外交官になるのを諦めた後、スーパーでバイトをして、何とか生活していたのだが、掲示板でフォニックスを知り、私もやれるかもしれないと、弟との約束を理由に、仕事の合間に特訓し続け、1年後の試験に備えた。しかし、その内容は得意なことを自慢するようなものだったので、私は思ったより簡単に5人に入ることができた。スインとライトを見た時、絶対入るだろうと思ったが、アインとエントはかなり必死になって試験に臨んでいたので、かなりギリギリだった気がする。そう思うと、なんだか懐かしい。フォニックスに入って初めての任務やロスト団でのアルガとの戦いは、今でもよく覚えている。色々頭の中で思い出を思い出していると、ロボットの砲撃に気が付かなかったようだ。もう弾が目の前まで来ていた。

「フウワ!」

ライトが慌てて走り出したが、間に合いそうになかった。自分の手でどうにかしなければならないようだ。私は深呼吸をした。そして、テールハンドと腕で弾を受け止めようとした。勢いよく撃たれた弾の勢いは尋常ではなかったが、無理矢理とも言えるが、テールハンドに力を込め、弟との約束を強く思った。すると、自分の“もう1つの”テールハンドが伸びてくるのを感じた。テールハンドは2本になったのだ。2本になり、さらにパワーアップしたテールハンドは、奇跡的に弾を押し返した。その弾はそのままロボットに向かって行き、直撃した。ロボットが揺らいだのが分かった。見ると、鉄壁の守りだったはずのロボットに傷がくっきりとついている。

「なん…だと。まさか、ここまでの力があるとは。少々、お前たちを見くびっていたようだ。私はインテ。このロボットを作った本人でありながら、今、このロボットの一部となり、お前らを滅ぼす男だ!」

インテはロボットの胸の辺りに吸い込まれるように入っていった。すると、ロボットに変化が起こった。その姿は漆黒に染まり、砲撃から鎌による攻撃に切り替えた。まるで死神のようだ。その姿に、震えが止まらない。強大な相手を見るといつもこうだ。その時、よぎったのは先程思い出していた弟との約束だった。それを約束したのは、この震えが止まらない私なのだ。鎌を振りかざすロボットになすすべもなく、ただ避けるだけであった。情け無い自分に舌打ちしながら、私はこの恐怖を拭い去ろうと必死だった。その時、イネイは意外な人物を呼び出した。エネルギー体となっても、その妖気は変わりはしない。紛れもない、ミレイだった。

『ありがとう。本当にありがとう。ずっと伝えたかった。こんな私のためにわざわざ墓まで用意してくれて。でも、やっぱりここまでしてくれたならきちんんとお礼がしたい。だから、イネイに念を送らせてもらったわ。この奇跡の力、あなたたちのために使うわ。そこの怖がってる風狐さん。私と戦っている時も思ったけど、あなたの能力は素晴らしいのに、そんなのじゃ宝の持ち腐れよ。思いっきりぶつかっていけばいいのよ。まずはぶつかってみなきゃ』

まさか、ミレイに見透かされているとは思わず、かなり驚いた。やはり本当はいいやつなんだろう。そろそろ、腹をくくらなくてはいけない。私には2本のテールハンドも、様々な技もある。ミレイの言う通り、ぶつかって見ることにした。なんのために戦っているか。お金稼ぎなんかじゃない。多分、自分が輝けるのが嬉しいのだろう。小さい頃の夢だった、アイドルを思い出した。戦姫なんて大層なものではないが、特に取り柄もなかった私にとって、ようやく見つけた居場所だ。だったら、そこでめいいっぱい輝かなければならない。

「ツインテールコンボ!」

髪型みたいな名前だが、いいということにしておこう。次々とテールハンドから繰り出される連打には、さすがのロボットでも僅かに後退りした。連打はそう長く続かなかったが、確実に相手の体力を削った。相手も攻撃が激しくなったが、一撃のダメージがかなり大きい分命中率は低いようだ。落ち着いて見切れば、避けること自体はそんなに難しくない。だが、このような単純な攻撃を続けていれば、相手が倒れるよりも早く体力や妖力が尽きてしまうだろう。持久戦だと体力が異常に高い相手の方が圧倒的に有利なので、なんとか、弱点を見つけ出してそこを突き、早めに倒したい所だ。

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