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フォニックス 運命の始まり  作者: ことこん
第十三章 ライトの成長
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第二部 任務失敗

 ソウマは何とかトルキの手から脱出したものの、かなりのダメージを受けたことが見て取れた。しかし、まだ立ち上がろうとしていた。

「無駄なことを。立ったとて、私には敵わないし、さらに痛みに苦しむだけだ」

ソウマはグラスヒールを発動し、体力を回復して立ち上がったが、大量の岩の壁が倒れて来た。レッドの姿になってかわしていったが、今度はどこで入手したのか妖石封じをソウマにはめ、動けなくした。

「これ以上お前と戦っている暇はない。私の部下によって苦しみを味わうがいい」

ゾロゾロと人がやって来て、ソウマを囲んで攻撃し始めた。ソウマを助けるべく、フウワが必死に応戦したが、かなり苦戦している。

「やれやれ。そんな使い方ではせっかくの特殊能力も無駄になるぞ」

トルキは見えないはずのスインの足に攻撃し、立てなくした。アインが必死に攻撃したが、全く届かず、出て来た部下に不意打ちをくらってしまった。エントもアインとそう変わらず、結局戦えるのは自分だけとなってしまった。だが、トルキは自分には目もくれず、スインの所へと向かった。

「お前、俺の部下になれ」

当然、スインは首を横に振った。なぜ、彼らはスインばかり部下にしようとするのか、疑問でしかない。

「そうか。だが、無理矢理にでも連れて行かなければいかんのでな」

部下の1人が、不思議な技を使い、スインを気絶させた。アインはまた攻撃しようとしたが、弾かれただけだった。トルキはスインを岩でできた牢に入れ、こちらを向いた。

「これで、一対一だ。お前はまた同じことを繰り返すのだな。そこまでして正義を貫く奴の心境が全く分からんが」

攻撃をかわそうとしても、圧倒的な攻撃スピードで完全にはかわしきれない上に、攻撃を仕掛ける隙がない。自分は、飛ばされて木の幹に当たった。

「勝負あったな」

トルキは止めの攻撃をしようと手を伸ばしたが、自分はその体を突き飛ばした。

「まだやられた訳じゃねえ。最後まで諦めたりしない!」

全力で攻撃を繰り返し、少し体勢を崩したと思ったら、強烈な反撃を出して来た。その反撃に立っていられず、ついに倒れてしまった。気が遠くなって来たその時、強力な妖力を一瞬感じ、体が浮くような感覚がして、思わず目を閉じた。急に優しい雰囲気を感じ、ゆっくり目を開けると、そこはフォニックス本拠地の図書室だった。

「何で俺ここにいるんだ?」

勢いよく体を起こすと、フォニックスのメンバー全員、アルガとチーナとレイナ、そしてギルド様がいた。

「さすがにピンチだったので、ここに皆さんごとワープしました。ここなら、張ってある結界のおかげで外から妖気を感じないので、奴が追ってくる心配もありませんし。それより、優先させることがあるのではないでしょうか?」

ハッとして辺りを見回すと、ソウマが横たわっているのを見た。

「ソウマ!」

ソウマは全身ボロボロで、今までよりも重傷なのが見ているだけでも分かった。ソウマは、痛みに耐えているようだった。

「さすがに出てしまうとまずいので、医者を呼びますね」

ギルド様が電話をすると、30分も経たない内に医者がやって来た。ここから病院は目と鼻の先なのだ。

「こんにちは。私は医者のラテラフと申します。この度は…」

「挨拶はいいので、早く診てあげて下さい」

そのギルド様の言葉で、医師は素早く作業を始めた。ソウマは別室(図書室には個人個人が読書を快適に楽しむ為にたくさんの小部屋があった。)に運ばれていき、フウワもついていった。

「みんなは大丈夫か?」

みんなは頷いた。レイナが心配だったが、大丈夫だったようだ。それにしても、今回は圧倒的な敗北だった。あんな奴に勝てるイメージが全く浮かんで来ない。

「まあ、当たり前と言えば当たり前です。あいつは今やブラックスのボスなのですから」

「あいつ、幹部だって言ってましたよ?」

「おそらく、そう名乗っておくことで、自分自ら戦うようにしているのでしょう。あいつは戦いを楽しんでいるような奴です」

俺は、次に襲われそうな所を考えた。イネイは穀物屋敷の面々で安全だろうし、今山もオスコがみんなに知られているとは言い難い。だから、1番危ない所は…。

「ヒノガとパキラが危ない」

「分かりました。そこはキセキに任せます」

キセキは、罪人を裁き処刑する恐怖の戦士である。キセキがいるとなれば、向こうも人員を割きたくないはずだ。避けるに違いない。他に危ない所は、特にないように思われる。

「姉さん。姉さん」

さっきからアインが必死にスインを起こそうとしているが、全く起きる気配はなかった。みんなが揃わない今は、無闇に挑んでも勝てるわけがない。

「俺、ソウマ見に行ってくる」

エントも別室に行ってしまった。

「ただいまー!」

ツーハとコウは、買い出しに行ってもらっていた。

「おかえり。大丈夫だったか?」

「それよりね、すごい人がいたの!」

ツーハは熱心に話し始めた。

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