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フォニックス 運命の始まり(年明けより大幅改稿予定)  作者: ことこん
第十三章 ライトの成長
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プロローグ フォニックス始動から一年!

 四月の朝。ライトは今日だけは誰よりも早く飛び起きた。

「フォニックス、1周年だー!」

大きな声で叫び過ぎて、みんなも起きてしまったようだ。ライトが廊下に出ると、起き抜けのみんながいた。

「本当だ!」

エントとツーハ、アインが同じ反応をしたので、笑ってしまった。

「ほんまやなあ。あっという間やったわ」

「まさか、こんなに賑やかになるとは」

「僕は途中からだけどね」

スインとフウワ、ソウマが続けた。

「なんだ?朝から賑やかだな」

何も知らないコウが起きて来た。

「フォニックスが1しゅう年!」

「へえ、そうだったのか」

こんな朝早くに、俺のスマホが鳴った。電話に出ると、母からだった。

『ライト、おめでとう。ツーハとは仲良くしてるか?』

「ああ。賑やかに暮らしてる」

『お前は本当に似てるよ…。クーライに」

クーライは、ライトとエントの実の父だ。先の通り、父は戦死してしまい、母は光狐のテルスと再婚し、その子供がツーハとシャラトという訳だ。ツーハは唯一の娘だが、母自体男勝りの性格で、よく少年マンガのアニメを見ていたので、ツーハはこんな感じに育ってしまったようだ。父が亡くなったのは、5さいの頃だったはずだ。だが、はっきりと覚えている。自分と父が似ているのは意外だった。自分は母似であっけらかんとしているが、父は真面目な性格だった。

『お前、見た感じあっけらかんとしてるけど、本当は真面目だよ。場の空気を和やかにしようとしてるだけだ。エントとツーハをよろしくな』

そう言って、母は電話を切った。のんびり階段を下りていた時、勢いよく玄関のドアが開いた。急いで下りていくと、そこにはアルガがいた。アルガは肩で息をしながら、話し始めた。

「大変なんだ!俺たち3人は仲良く暮らしていたんだが、急に変な奴が押しかけて来て、フォニックスの本拠地を教えろ、さもないと明日はないとか言って来て、もちろん言わずに義姉さんたちが必死に足止めしてくれてるけど、時間の問題だと思う」

「分かった。案内してくれ」

すると、聞いていたのかみんながやって来た。

「にんむ?ツーハもいきたい!」

「いや、今回はやめてくれ。なんだか嫌な予感がする」

明日はないとかいう台詞を言うのはあいつしかいない。

「みんな。今回の敵は今までの奴らとは比べ物にならない程の強敵だ。それこそ、一丸になっても勝てるかどうか分からない程だ。だから、本気でいってほしい」

みんなは黙ってうなずいた。

「じゃあ、急ぐぞ。あいつの強さは圧倒的だ。あの2人が危ない」

俺たちは、大急ぎで現場に向かった。アルガたちの家は森の中にあり、こぢんまりとしていたが、3人で暮らしていくには問題ないようなサイズだった。それよりも、庭先に目が行った。レイナは気にもたれかかっていたが、チーナはまだ戦っていた。

「大丈夫?義姉さん!」

レイナはアルガに任せるとして、敵は予想通りだった。

「こういうのって宿命なのかな?」

やはり、目の前にいるのはトルキだった。奴こそが、俺たちの父、クーライを殺した相手だ。

「お前がクーライの息子か。自ら殺されに来るという愚かな所もそっくりだ。私は今、ブラックスの幹部になった。抗ってみろ、運命に」

「チーナは大丈夫なのか?」

「まだ戦えるわ。どっちにしろ、戦いから逃げたりなんかしない」

緊張が辺りを包んだ。一応、トルキの特殊能力、技封じについて話しておいた。技なんてとりあえず作ればいいと思うかもしれないが、自然に思いつく技名はその技のイメージを表しており、それが合わないとうまくいかない。クーライの敗因はそこにあると言っても過言ではないのだ。みんなが攻撃を始めたが、いなされたり、かわされたりした。本当に厄介な相手だ。トルキは辺りを見回し、レイナを岩で捕え、自分の方へと持って来た。

「こいつを渡してくれるんだったら、お前たちは見逃してやるが、どうする?」

「お前と交渉する気も無いし、仲間を見捨てたりしない」

「交渉決裂だ。残念だ。お前は父よりも筋が良かったのに」

ちっとも残念じゃなさそうにそう言った。そして、レイナを解放し、放り投げた。一瞬の内に、周りを岩で囲まれ、押し潰そうと迫って来た。

「ライト君!」

ソウマの救出により押し潰されずに済んだが、トルキはそれを見逃さず、空中にいたソウマの頭上に岩を降らせた。

「愚かな。仲間を救うために身を削り、結局仲間を心配させるとは」

ソウマを下敷きにした岩山はしばらく沈黙していたが、岩が勢いよく飛び散り、ソウマが出て来た。しかし、かなり無理をしているのが伝わって来た。

「まだ立ち上がるか…」

トルキはソウマの胸倉を素早く掴み、何度も殴り始めた。

「やめろ!」

必死に離させようとするも、あえなく弾かれてしまった。

「恨むなら己の非力さを恨め」

突然、エントが大技をぶつけた。トルキはその衝撃でソウマを放した。

「そっちは弟か。やはり馬鹿だな。正義というわけの分からんものに徹する意味も無い」

その口ぶりから、トルキの過去が垣間見えた。

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