第五部 課題
次の日。俺はソウマを待っていた。中庭ではみんなが特訓をしていた。
「ライトは特訓しなくていいのかー?」
「ソウマが来てからするー」
とフウワと話していると、足音が聞こえた。
「遅くなっちゃってごめんねー」
やっぱりソウマだった。動物たちに荷物を運んでもらっていた。
「いやいや、時間通りだよ。それにしても、すげー荷物だな」
「いやあ、色々持って行きたくなっちゃって」
「とりあえず、部屋案内するよ」
「ありがとー。ちょっと待ってねー」
ソウマは荷物を持ち上げた。
「一緒に運ぼうか?」
「いや、いいよ。割れ物とかもあるしね」
「じゃあ案内だけするよ」
俺はドアを開けた。
「うわあ。豪華な所だね」
驚くのも分かる気がする。シャンデリアや革張りのソファーなど、普段お目にかかれないような家具が置いてあった。二日間住んだ今でも、まだ慣れないほどだ。
「部屋二階だけど大丈夫そうか?」
「うん。大丈夫だよ」
「じゃあ、こっちだ」
俺たちは階段を上り、幾つものドアがある所まで歩いた。
「ここだ」
俺が指差した先には、緑色のドアがあった。実は、一昨日寝ぼけたエントが間違えて隣のフウワの部屋に入ってきてしまったので、昨日の報酬を早速使ってドアの色をそれぞれに変えておいたのだ。
「ありがとう。ライト君も中庭に行ってあげたら?」
「ああ。行くことにするよ」
ちょうどその時、中庭から、
「兄者ー!次の任務でびびっても知らねーぞ!」
「今行くー!」
俺は階段をかけ降り、中庭に顔を出した。
「どうだ?そっちの調子は」
「今スインに攻撃の当て方を教えてもらってる所だ」
エントは苦労しているようだ。
「そっちは?」
俺はフウワの方を向いた。
「今アインの技の特訓をしているとこだ」
アインは決まりが悪い様子で俯いた。
「じゃあ俺も入れてくれよ」
「いいぞ。ライトの方が妖力に関しては詳しいだろうし」
確かに、フウワはあまり妖力を使わないので、教えるのは厳しそうだ。
「じゃあ、まずは練習あるのみ!一緒にしまくるぞ!フウワもどうだ?」
「習うより慣れろっていうしね。私も技を使えるようにしておきたいし」
「お待たせ、ライト君」
「うおっ!?」
「あ。驚かせちゃった?ごめんね」
「いや。いいんだよ」
ソウマは気配を消すのが得意なのかもしれない。
その後、俺たちは、日が暮れるまで特訓して、それぞれ課題の解決に努めたのだった。




