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フォニックス 運命の始まり(年明けより大幅改稿予定)  作者: ことこん
第九章 スインの記憶
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第四部 姉妹の絆

 相手は勢いよく落下していき、床に穴を作った。

「お、落ちる!」

そういえば自分のことを考えていなかった。

「もう、学習しないわけ?」

エムルは再び壁を使って今度は勢いよく降り、自分と並んだ。

「助けて欲しいんだったら、これを受け取って。僕の連絡先が書いてあるから」

「わ、分かった」

どんどん床が近づいてきていたので、即答した。

「じゃあ、行くよ」

エムルは自分を手を掴んで、自分だけ丸くなって落下の衝撃を受け止めた。でも、甲羅(?)には傷ひとつついていなかった。

「丈夫なんやね」

「僕の特殊能力で弾力があるんだよ。じゃあ、また連絡してね!」

自分のしたことを少し後悔していた。

「姉さん!」

振り向くと、やっぱりアインだった。

「アイン…」

「無事でよかった…」

「ずっと探してくれとったん?」

「当たり前だよ!何かあったらってずっと心配で…」

アインが泣きついて来た。やっぱり妹は可愛くて仕方ないものだ。

「感動の再会の所を悪いが、何があったのか聞かせていただけないでしょうか?」

警察官が尋ねて来た。自分は起きたことそのままを話した。その後、牢に入っていた人達は全員解放され、敵たちは全員逮捕された。謎の組織ブラックスの謎はさらに深まっていくばかりだった。


 「今日の晩御飯は何?」

「内緒だと言っているだろう。みんなが好きそうなやつだ。ソウマは苦手だから出してなかったが」

家に帰り、そんな何気ない会話が聞こえる中、スインとアインはテーブルで向き合っていた。

「お腹すいたね。昼ご飯食べてないから」

「そうやなあ。でも、一瞬もうみんなに会えやんかと思ったわ」

「そんなに相手が強かったのか?」

エントが2人の間に入って来た。

「エント。2人で話したいの」

「えー、ひどい」

エントは目をウルウルさせた。

「そんな目で見てもだめ。30分程度のものだから」

「はあい」

エントはテレビの前に行った。

「エントと同じ質問になるけど、そんなに相手が強かったの?」

「うん。1人やったら、確実に負けとったな」

「え?1人で戦ってたんじゃないの?」

「うん。まあね」

ピンポーンと音がした。フウちゃんがドアを開けると、配達屋だったようだ。何やら受け取っていた。

「誰から誰に?」

「ソウマから私にらしい」

「あ、誕生日だもんな」

フウちゃんが封を開けると、手紙と生花が入っていた。

「ピンクの綺麗な花だね」

「でも、私にピンクは似合わんだろ」

「そう?結構似合うと思うけど」

「まあ、部屋にでも飾っておくか」

「手紙は?」

「中身を聞いたり見たりするなよ。ソウマが可哀想だから」


「俺がそんな事をするように見えるか?」

「見える」

2人の声がぴったり重なった。

「ええっ。ひどいぞ!」

「残念だったな、エント」

「兄者まで!」

「別に兄貴でもいいのに。もっと親しみを込めて」

「いや、いい」

「仲がいいんやろな」

「そうなんだろうな。ちょっと羨ましいけど」

「兄弟おらんの?」

「いるにはいるけど、あんまり会えない状況かな」

「そういう意味で、ソウマ君って、兄弟おるんかな?」

「なんとなく、下っぽい雰囲気だけどな」

「ご飯できたぞ!」

「わーい」

無邪気に食卓に向かうエントを見て、

「まだまだ子供だな」

と言ったフウちゃんには笑ってしまった。

「あ!唐揚げだ!ソウマ、鶏肉食べられないもんな!」

「ちょっと!楽しみ奪うなよ!」

ポケットの中には、もらったメモが入っていたが、余り使う機会はなさそうだ。


 「うーん、誰かが噂してるのかな?」

その頃、今山。

「いいな、人気者で」

「そんなにだよ。そろそろご飯にしようか」

みんなの顔がぱあっと明るくなった。

「そんなにご飯食べたいの?」

みんなはこくこくと頷いた。

「全く、誰に似たんだか」

「お前だろ」

オスコの言葉には強く否定できなかった。家に入ると、手紙が来ているのに気がついた。こんな山奥まで申し訳ない。手紙の送り主は、ナノガだった。

「明日来てもいいか、か」

別に予定もないし、来てもらう分にはいいのだが、何故来たいのか疑問に思った。まあ妖獣を見てみたいのだろうな、と無理矢理解釈をして、大量の餌を持ってみんなの前に出た。みんなはばっと餌に飛びつき、勢いよく食べ始めた。

「まだまだあるから、そんなに早く食べなくてもいいのに。オスコさん、こんなご飯だけど、どうぞ」

「ありがとう」

2人は切り株に座ってご飯を食べた。

「みんなには慣れて来た?」

「ずいぶんな。最初はどうなることかと思ったが、しばらくしたら懐いてくれたようだ」

「まあ、みんな警戒心強いけど、一回仲間だと思えば、ずっと仲良くいられると思うよ」

「餌代とかは大丈夫なのか?」

「これはあそこの畑や牧場で育てたやつだから。ここまでは来れなくても、そこは絶対毎日行くようにしてるよ」

「熱心なんだな」

今日は星が綺麗だった。



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