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フォニックス 運命の始まり  作者: ことこん
第一章 フォニックス、始動!
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第四部 最初の依頼lll

 ドアの向こうから、「はーい」という声が聞こえた。意外にも優しい声だった。ガチャリとドアが開くと、中から穏やかそうな青年が出てきた。俺たちは顔を見合わせた。その人からは、悪い妖気を感じなかったからだ。俺たちが戸惑っていると、

「えーと、どちら様ですか?」

青年が困った様に言った。

「お前に用があって来たんだ」

「えっ。僕に?」

青年は驚いたようだ。

「そうだよ」

エントは青年に詰め寄った。

「大体、なんだあの動物たちは!俺たちを殺す気か!」

しかし、青年は、

「動物?」

とピンと来ていない様子だ。しばし考え込んだ後、

「あーっ!」

と分かった様に叫んだ。

「本当にごめんなさい!ほらみんなも謝って!」

動物たちが頭を下げてきた。

「結局、どういうことなん?」

とスインが尋ねると、

「この山に来て、動物たちの怪我や病気を治していたんだけど、相手に妖力を分ける技で直してたから、張り切った動物たちが僕を守ろうとしてくれてたのかもしれない。本当にごめんなさい!」

動物たちは頷き、謝るような仕草を見せた。こうみると、可愛いものだ。

「息子が悪者じゃなくて良かった」

とエントが言ったことにより、

「息子?」

と青年が首を傾げた。

「お母さんから探して欲しいって依頼が来とったで」

しかし、青年は、

「帰らないって伝えといてくれないかな」

と言ったのでエントが

「何でだよ?」

と言ったが青年は答えなかった。

「じゃあさ」

俺は口を挟んだ。

「お前なんていうんだ?」

「…ソウマ」

「じゃあソウマ。戦いは出来るか?」

「え?」

「ちょっ。ライト」

フウワが間に入って来た。

「流石に無理があるんじゃないか?」

「どういうこと?」

ソウマはパチリと目を瞬かせた。

「俺たちと一緒に戦わないか?」

「人数って増やして良いのか?」

「良いらしいで」

「どういう感じで?」

「庶民から依頼を受けて、それを解決していくんだ」

「つまり、人助けってことだよね。誰かのためになるなら、やらせてもらうよ!」

「よっしゃ!じゃあ引っ越し出来るか?」

「1日待てる?」

「じゃあ明日待ってるからなー!」

こうして、新たな仲間、ソウマを引き入れることが出来た。この出来事が、今後の戦いに大きく影響してくるということは、誰も想像していなかった。


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