表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォニックス 運命の始まり(年明けより大幅改稿予定)  作者: ことこん
第八章 今山、再び
39/150

第四部 絆の力

 「あいつ、本当に一撃で決める気だ!」

どっちのソウマがやっているのか分からないが、自分達も危ないかもしれない。

「離れろ!俺らもくらっちまうぞ!」

エントがそう言い、みんなが走り始めたが、ライトだけは動かなかった。

「ライト?」

「俺は動かない。一歩もな」

「なんでだよ?」

「考えててもみろよ。あのソウマが、森ごと吹き飛ばすと思うか?俺たちもそうだが、妖獣だっている。お前ら全員逃げても、俺は動かない。ソウマを信じて、最後まで近くで応援する!」

エントがライトの方に歩いて行った。

「俺も残る。そうだよな。ソウマだけ残して逃げるなんておかしいよな。ありがと、兄者。俺は大事なことを忘れていた」

「私たちも残る。イネイは別に帰っても良いんだぞ?もしものことがあったらいけないし」

「いえ。私も残ります。ちょっと妖獣達について調べたいですし」

そう話している間にも、ソウマの技は大きくなっていた。相手も技を大きくしていたが、あれでは対抗できないだろう。最後の悪あがきともいえる。

「決めるよ!グラスボール!」

「ポイズンショット!」

ぐんぐんとソウマの技は相手に近づいて行き、相手に当たったが、地面スレスレで止まった。

「な?言っただろ?」

「ライトさんって、本当にすごいんですね。私なんかよりずっと」

「いやいや、俺はなにもしてないし」

ライトは照れ笑いを見せた。技による爆発が収まると、倒れた相手とソウマが木から降りてくるのが見えた。

「ソウマ!」

なぜか自分が先に走り始めていた。内心心配だったのかもしれない。

「ふう。疲れたあ」

「ソウマ、強かったな」

「みんなのおかげだよ。グラスヒールの副効果なんて知らなかったし」

それから、みんなで勝利の幸せを分かち合った。


 気づいたら、すっかり夕方になっていた。

「皆さん、ありがとうございました!」

「こちらこそ助けられたよ。ありがとう」

「ライトさん。この上着、洗って返しますね」

「いや、あげるよ。俺には小さいし」

「いいんですか?このサイズなら、弟が着れそうです。ありがたくいただきます」

「いいのか?そんな服で」

「弟は服ならなんでも来ますから。それでは」

「元気でな」

イネイは山を下りていった。

「さあ。俺たちも帰るか」

「あの」

ソウマが言いにくそうに話しかけて来た。

「何だ?」

「1か月ここにいようと思って。オスコに頼むつもりなんだけど、慣れるのに時間かかると思うし、もう1人の自分と向き合ってみたいから。みんなには、迷惑かけると思うけど…」

「分かった。俺たちの都合で勝手に連れ出したんだし、ソウマのしたいことをすればいいと思う。オスコによろしくな。会ったことないけど、こいつが失礼なこと言ったし」

そう言ってエントを指差した。

「じゃあ、1か月頑張れよ!」

俺たちはソウマと別れ、山を下りた。


 「黄昏時ですね」

ギルドは今山のふもとで微笑んだ。

「そこにいるのは分かっていますよ。出て来てください」

茂みからふわふわと浮かぶものが出て来た。

「うう。さすがですね」

「魂だけ飛ばして来ましたか。スラキ」

「いつになったら助けてくれるんですか!もう半年経ちます!」

「彼らが力を持った時です」

「そんな周りくどいことしなくても、直接やればいいんじゃないですか?」

「私はもう戦えません。ちょっとした相手ならまだしも、あいつらと戦ったら体が持ちません」

「くう。分かりました。お父様によろしく伝えておいてください」

「はいはい。分かりましたよ。今は会いたくありませんが」

「また喧嘩して…それじゃあこれで」

スラキは帰っていった。

「本当に、不便な体です。戻してもらいたいのですが、そうはいかないでしょうし」

そろそろ、帰らなければいけない。いつまでも偽りの自分でいるのは少々息苦しいので、ストキに素直に謝って少しの間戻してもらえないだろうか。彼がそんなに簡単に戻してくれるとは思えないが。


 オスコは今山に到着し、とても驚いた。妖獣がこんなにいるなんて聞いてないし、何だかずっと視線を感じる。

「おーい、こっちこっち」

「おーいじゃない!こんなの聞いてないぞ!」

「ごめん。今日妖獣になったから伝え忘れてた」

「動物ならまだしも、こんな数の妖獣の世話をしろと?」

「だ、大丈夫。僕も1か月ここにいるから」

「まあ、約束は守る」

そんな押し問答をしていると、誰かが走って来た。

「どうしたの?イネイさん」

「手帳忘れました…」

「どこに?」

「分かりません。でも、この辺りにあると思います。私の匂いがします」

「分かった!手伝うよ!ほら、オスコも手伝って!」

「は?」

おかげで、初日は手帳を探し続け、土まみれになった上に、説明を全く聞けなかった。腹の立つ狐だ。だが、本当に天然のようなので何も言わないでおいてやった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ