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フォニックス 運命の始まり  作者: ことこん
第七章 ギーヨとキョウ
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第二部 残党たち

 「何者だ!」

「フォニックスだ!」

「見つけたぞ!国王様の仇!」

蛇たちが一斉に襲いかかって来た。しかし、この程度なら俺たちでもどうにかなりそうだ。ソウマが先陣を切って攻撃してくれた。

「リーフカッター!」

葉が刃となり、相手に降り注ぐ範囲攻撃だった。確かに、今回は範囲攻撃が有効だろう。なぜソウマがギルド様にあんなことを言われたのか、本当に謎だ。

「連続爆風拳!」

フウワはこの技が気に入ったようで、技自体は変わっていないが磨きがかかっていた。

「バーニングタックル!」

エントは1人にしかぶつかっていないが、周りも巻き込んでいるので、相手にとどめをさしてくれた。俺も負けていられない。練習中だが、これを使うしかない。

「エレキショット!」

スインがいつも使っている技をみて思いついたのだが、射撃が苦手なので、途中で散らばらせて範囲を広げてみた。おかげで、全く別物になったけど。ちなみに、スインとアイン、ギーヨ様はキョウさんの解放をしてもらうことにした。

「エント君!出来そう?」

「ああ。やってみるか!」

「ダブルストーム!」

エントのバーニングストームとソウマのグラスストームの合わせ技だろう。すごい勢いだ。おかげで、相手はほとんどいなくなった。ちなみに、俺とフウワの合わせ技は今の所全く上手くいっていない。こちらは普通に攻めるしかなさそうだ。また練習しておこう。


 一方、アイン。キョウを助けようにも、鍵のついた檻に入れられていた。

「ギーヨさ…」

「静かにしていてください。今開けますから」

「姉さん、出来そう?」

「うん。練習に練習を重ねたもんな。ピンポイントショット」

鍵は壊れ、ドアが開いた。キョウさんをなんとか助け出すことが出来た。しかし。

「ここにいたのか。氷狐。国王様の仇はたっぷりさせてもらうぞ」

そう言うと、辺りの景色が変わり、周りに誰もいなくなった。

「ここは異次元。ここにいるのは、俺とお前だけ。誰の助けも呼べない。まあ、安心しろ。体だけは元の世界に帰してやるからさ」

思えば、こんな状況初めてかもしれない。絶対に負ける訳にはいかない。

「アイスクラッシュ!」

氷の塊を相手に落とす技なのだが、あまり効いていなかった。あの技はあまり使いたくないのでだが、やるしかない。

「フリーズウインド!」

蛇の国王に無意識に使っていたあの技だ。でも、しばらくは生きられるように調節はしてある。

「妖石のおかげだ」

妖石はあの後ネックレスに嵌め込まれた形で届いた。おかげで、ただのアクセサリーのように見せることが出来る。異次元から元の世界に戻れたようだ。姉さんがすぐに近寄って来た。

「怪我はない?」

「大丈夫だよ。姉さん。いつまでも私は小さい頃のままじゃないんだから」

姉さんは私の頭を撫でた。

「でもな、分かっとっても心配になるもんやで」

「うん。気をつけるよ」


 「ソウマ!大丈夫か?」

「うん。ちょっと擦りむいただけ」

僕は不覚にも不意打ちをくらってしまった。

「ふふふ。私の気配を感じ取れる者などいない。全員倒して、氷狐を絶望させてやる」

「なんでそんなにアインにこだわるんだよ!」

「当たり前だろう。我が国王の仇だからな」

「国王のやってたことが正しいとでも思ってるのか?」

「国王様は国のために努力してくださった!」

僕は初めて、相手を殴っていた。

「分からないの?あいつがしたことがどんなことか!改造して無理矢理強くなったって、いつかはガタがくるし、そのあとは一生残る!その人の人生を変えちゃうんだよ?」

こんな大声で一気に話したことはあっただろうか。その後のことは全く覚えていない。

「ソウマ!もういい!」

気づいたら、相手は倒れていて、エント君が僕の腕を掴んでいた。

「エント君?これ誰がやったの?」

「お前だよ、ソウマ!覚えてないのかよ!」

不思議なことに、そんな記憶は全くない。

「ううん。全然覚えてない」

「確かに、あの戦い方はソウマらしくなかった。いつもなら、ここまでやろうとしない」

疑問しかないのだが、今はそんなことを考えている暇はなかった。


 「姉さん!」

こちらはピンチを迎えていた。今度は姉さんが捕えられてしまった。

「お前が大好きな“姉さん”が殺されたくないのなら、おとなしくついてくるんだな」

「アイン!ついて行ったらあかん!」

「姉さん…でも、姉さんがいなくなったら、私…」

ちなみに、ギーヨ様とキョウさんには強そうな人をやってもらっているので、ここにはいない。

「さあ。早くしないと、こいつの命はないぞ?」

前に一歩踏み出した瞬間、大量の影が見えて、男に覆い被さった。

「なんだ!こいつは!」

もうそれで誰かわかった。

「なんで来たの!コウ!」

男が影を蹴散らすと、姉さんはもういなかった。そして、コウは隣にいた。

「なんとなくこっそりついてったら、助けが欲しいふいんきだったから」

「ふんいきね」

「どっちでもいいだろ!」

「ありがとな。コウ君」

「礼をする時間があったら、戦え!そしてさっさと帰ってこい!待ってるから!」

礼を言うのような気もするが、いまは戦いに集中しよう。

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