第二部 最初の依頼
それから、俺たちは、部屋決めで揉めたり、カレーにどの肉を入れるか決まらなかったりしたが、そんなことより次の日。俺は、
「もう8時だぞ!やる気あんのか?」
という声を聞いた。
「ふわああい」
俺は部屋から出て食卓に向かった。食卓にはスインとアイン、フウワががいて、先に朝食をとっていた。
「依頼来とったで」
俺は手紙を受けとった。
「フォニックスさんへ
行方不明の息子を探してください。今山にいるという情報を得ま…」
と読み上げると、エントは飲みかけていたコーヒーを盛大に吹き出し、フウワは俺に詰め寄って来た。スインが、
「今山ってなんなん?」
と首をかしげたので、フウワが説明した。
「元々は気候のいい山だったんだ。だけど、ある日突然行った人が帰って来なくなったらしいんだ。もしかしたら息子が犯人かもしれんな」
「それじゃあさ」
とエントが口を挟んだ。
「これを解決したら一石二鳥じゃねえの?」
「そう捉えるしかないか」
俺たちは今山に行くことになった。
「ここが今山かあ」
「気をつけろよ」
「ああ。さっさと行くぞー」
さらに進むと、数多くの妖気を感じた。
そこに目を向けると、数えきれない程の小動物がいた。(この世界には妖怪と呼ばれる動物と人間界にもいる動物の2種類がいる。)
「あいつらが原因か!」
「そのようだな」
小動物たちは襲いかかって来た。
「そっちが来るなら、やるしかないよな!」
この戦いで、色々なことが分かった。俺とエントは妖力を使いながらの近接攻撃だが、フウワは妖力をあまり使わない格闘技、スインは透化を使った遠距離攻撃、アインはあまり戦闘経験がないのか、下がってサポートをしていた。あっという間に倒したが、まだ妖気があった。
「こっからが本番ってわけか」
俺たちは道なりに山を登って行った。
「ここ、登山道だったんだよ」
「へえ。登りやすい道だね」
「ここで何があったんだろう?」
「どっちにしろ、俺たちのやることには変わりは無い」
「着いたみたいだぞ!」
俺たちは広場に出た。
「ここはご飯食べるとこだったんだけどなあ。動物達、何で襲ってくるのかな?」
その時、背後から鳴き声がした。




