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フォニックス 運命の始まり  作者: ことこん
第四章 フォニックス強化作戦!
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プロローグ 猫の国王から直々に?

 六月。最近梅雨で雨が降っていて、特訓もできず、依頼も来ず、暇な日々を過ごしていた。

「これじゃあ、体が鈍っちまうよ!」

エントが嘆いていた。確かに、これでは困る。

「最近面白かったことといえば、エントがソウマに抱きついてたことぐらいかなあ」

「それほんとにやめてよ!この季節暑いし!」

とはいうものの、ソウマは抵抗しても無駄であり、結局されるがままになっていた。たしかに、ソウマは小さくてふわふわしているので、抱き付きたくなるのも少しわかるが、ソウマはペットではない。

「エント。やめてやれ」

「えー、一回尻尾触ってみなよー。ふわふわだから」

「ちょっと?」

好奇心に負けて、ソウマの尻尾を触ってみると、とてもふかふかしていた。

「たしかに、気持ちいいな」

「ライト君まで!」

「どうしたん?」

みんなが集まってきた。俺が事情を話すと、みんな尻尾を触ってみたいとソウマに群がった。ソウマはすごく不機嫌そうな顔をしていたが、結局何も言わなかった。

「お前ら何してる!手紙来てたぞ!」

「依頼?」

「いや、ちょっと違うみたいだ」

手紙を見ると、しっかりと封がされており、“フォニックスさんへ”と書かれていた。それを開けると便箋に文章が書かれていた。俺はそれを読み上げた。

「フォニックスさんへ

いかがお過ごしでしょうか。もし依頼が来ず暇であれば、ぜひ猫の王宮にお越しください。

ギーヨ」

「ええええ!?」

みんなは目を丸くした。読みながら自分も驚いていた。あのギーヨ様直々にお手紙をもらえる人はかなり限られていて、こんな庶民の集まりに手紙を出すなんて、明らかに異常だ。

「どういうことなんやろ?これ」

たしかに、何故猫の王宮なのだろうか。暇だったら、という所にも違和感がある。

「行ってみるか?」

「他にすることないし」

「ホラー映画見てエント君に抱きつかれるよりマシだよ」

「ていうか、行かんと失礼やし」

「確かにな」

「行ってみたいな」

「よし、そうと決まれば出発だ!」

「待て!」

「え?」

「弁当持ってけ!」

「あ、ありがと。行ってくるな、コウ」


 かくして、一行は猫の王宮に着いた。

「うわあ、でかいな」

「そりゃあ、この世で一二を争う規模の国なんだから」

門の前に立つと、門が開き、そこに誰かいた。

「こんにちは!キョウです!フォニックス様ですね!ご案内します!」

「ご案内?」

やがて、訓練場に出た。

「フォニックスさん。今からあなたたちを鍛えさせてもらいます」

「ギーヨ様?」

なんだか、嫌な予感がした。

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