第二部 アルガ、レイナ
少し歩いていくと、広い部屋に出た。中央には青年がいて、こちらを睨んでいた。体が鋼鉄で覆われていた。
「私はアルガ。ロスト団の幹部である」
急に自己紹介を始めたアルガに驚いたが、気を取り直した。
「では、参る!」
と突進して来たかと思うと、次の瞬間アルガの突きで自分の毛が切れているのを見た。少しでもずれていたらと思うとわずかな恐怖を覚えた。見た目では想像できない程のスピードだ。だが怯んでなどいられない。勝つための方法を攻撃を避けながら必死に考えていると、頭の中にとある作戦が浮かんだ。私はテールハンドで壁や天井をつたわりながら相手の攻撃を避け始めた。そして、ツーハと決めた技名を思い出した。
「ストームキャッチ!」
人1人入るくらいの大きさの竜巻を出し、アルガをその中に入れた。
「これで動けないだろ!」
「ぐっ!」
悔しそうに睨んで来たが、何もできない様子だった。そこで、トドメを刺そうとテールハンドを動かした。
「ウインドナックル!」
テールハンドに風を乗せて、思いきりアルガにぶつけた。アルガの鋼鉄の体毛は砕け、よろけて倒れた。私はさらに前に進んだ。
その頃。俺はレイナという女と戦っていた。炎技を放っても、水で消されてしまうので、頭を悩ませていた所だ。仕方ないと思いながら、本気を出すことにした。体中に炎を纏わせた。
「バクエンカキュウ!」
とても大きな炎の玉を作り、相手に浴びせた。これなら水でも消せないだろうと、この技を出した。案の定直撃し、レイナはその場に倒れた。先に進むと、フウワと出会い、さらに道があった。フウワと2人で行くことにしたら、スインがやって来た。
「楽勝やったで」
と本人は言っていたが、本当はどうなのかは知らない。もしかしたら、さらに進むと他の3人とも合流できるかもしれない。しかし、俺のお腹が鳴った。
「うう。腹減った」
「じゃあ、ここでお昼にするか。向こうの3人も合流したなら食べるはずだ」
そして、コウのつくった弁当を食べた。意外にも盛り付けは美しく、味も美味しかった。
「天職発見かもな」
「美味しいね。これからこんなご飯が毎日食べられるなら、悪い気はしないな」
「ソウマ君、見る目あるなあ」
ソウマといえば、最近は分身の見抜き方だけでなく色々なことを教えてもらっている。お礼として、俺はソウマの技の実験台になってやっている。俺の特殊毛は、攻撃を軽減する効果があるのだ。そして、さらに先へ進むことにした。




