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フォニックス 運命の始まり  作者: ことこん
第三章 ロスト団との戦い
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プロローグ 異国からの依頼

 ここは、猫の国。まだ未熟だというのに何故か王の側近となったキョウは、頭を抱えていた。

「お困りですか?」

と言うのは国王、ギーヨ。この世に5人だけ存在して、全ての技を使いこなす“技神”の1人だ。

「困ってるも何も、なんで僕なんかを側近にしたんですか!」

「それは、いずれ解ります」

これに関してはかなり困っている。側近以外の年上の人達によく睨まれる。嫉妬なのだろうけど、あまりいい気にはなれなかった。

「困ってるのはそのことですか?」

「いや、ロスト団のことです」

ロスト団とは、街にやって来ては強引に金目の物を持っていく困った集団だ。軍を動かせば簡単に退治出来るのだが、光狐との争いに精一杯な今は、戦力を割くことは出来ない。

「それなら、フォニックスに頼んでみるのはどうでしょう」

フォニックスの噂は、少しは聞いたことがある。しかし。

「さすがにそれはどうかと…!」

「庶民では力不足だと」

思っていた事を言い当てられ、言葉に詰まるも、

「い、いえ!狐に頼んで良いのかと!」

と勢いで言っていた。

「良いですよ。本拠地からそんなに遠くないでしょう」

「分かりました…」

こうして、フォニックスに依頼をすることになった。


 俺はカレンダーをめくり、つぶやいた。

「もう5月だな」

思えばあっという間だった。ずいぶんとみんなと馴染んできた気がする。その時、ドンドンとドアを叩く音がした。ドアを開けると、そこにいたのは、猫の使者だった。

「国からの依頼です」

とだけ言うと、どこかに行ってしまった。驚きのあまり立ち尽くしていると、

「どうしたの?ライト君」

とソウマが話しかけて来た。

「と、とりあえず、中に入ろう」

みんなにその事を伝えると、みんな目を丸くした。

「まさか国から依頼が来るとはなあ」

「これを解決したら、猫たちの信頼を得られるな」

しかし、国からの依頼となると、相当難しくなるだろう。

「みんな、どうする?」

「そんなの決まってんだろ」

「私たちは行くよ」

「僕も行くよ」

「それなら、行くか!」

「弁当、持ってくか?」

コウは言葉は話せるが、敬語を使えないらしい。そこは大目に見ている。

「えっ、コウが作ったのか?」

コウが今まで料理を作ったことは無かった。でも、一応もらっておくことにした。


 地図通りに行くと、猫の使者がいた。

「どうぞ宜しくお願いします」

そう言って道の奥を指差した。おそらくロスト団の本拠地があるのだろう。真っ直ぐ進むと、道が六つに分かれていた。偶然なのか、ロスト団の作戦なのか分からないが、一人ずつで行くことにした。少し緊張感を覚えながら、道を進んで行った。

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