第五部 お泊まり会
その後、ツーハがみんなでお泊まりがしたいとゴネ出したので、仕方なく確認を取ってからみんなで帰ることになった。ドアを開けると、ライトとフウワがいた。
「ずいぶんと手こずったようだな」
「いやあ、意外に手強くて」
「どんな奴だったんだ?」
「こんな奴」
と指差すと、コウはバツが悪そうに前に出た。
「どうしてここにいるんだ?」
「僕が部下にしたからさ」
「ふーん」
「それより、おなかすいた」
「ツーハ、帰らなくてよかったのか?」
「いい」
「まだ四時だぞ…」
とフウワが呆れていた。
「とぶとおなかすく」
と言ったので、とりあえずごはんを作ることにした。しかし、ツーハが脱走すると、
「自分で言ったなら少しは手伝え!箸ぐらいは出せるだろ!」
とドスの効いたフウワの声が響いた。
「まあ、まだ5歳だし…」
「でも、お手伝いは大事だな」
ツーハは渋々箸を出していた。
その後、ご飯とお風呂を済ませてもまだ七時だったので、ツーハが、
「アインさんの技の名前考えたい!」
と言った。
「別にいいけど」
としかアインが言わなかったので、みんなでアインだけでなくみんなの技名を考えた。
次の日。私はみんなが起きるのを待って1人で特訓をしていた。
「早いね。僕で良かったら付き合おうか?」
と後ろから声がしたが、一人称が僕の人は1人しかいない。
「ソウマか」
「うん」
「じゃあ少しだけ付き合ってもらうぞ」
と特訓していると、みんなが起き始めた。しかし、ライトだけはいなかった。
「また寝坊してんのか、あいつ!叩き起こしてくる!」
一気に階段を上ってドアを開けると、ベットで気持ちよさそうに寝ているライトがいた。思いっきりテールハンドで殴りつけると、ライトは眠たそうに目を擦った。
「ひどいぞ、フウワ」
「お前が寝坊するのが悪い」
ライトを部屋から引きずり出し、
「早く行け!」
と怒鳴った。ライトは大急ぎで食卓に向かった。
「ライにい、もう9じ。みんなあさごはんたべた」
「みんなすまん!急いで食べる!」
「喉に詰まらすなよ」
その後、ソウマの提案で今山に行くことにした。ソウマが足を踏み入れるなり動物たちに抱きつかれた。少し進むと、満開のヤマザクラがあった。他の人たちも見惚れていた。しばし感動していると、
「おべんとうはやくー!」
とツーハがゴネ出したのでお弁当を食べることにした。
その後、屋敷に帰ってみんなで遊び、遊び疲れたツーハを送り届けに行った。なんだかんだで楽しいお泊まり会だったような気がする。




