プロローグ フォニックス、始動!
ここは、動物たちが妖怪として二足歩行をし、人間のように暮らしている世界。そこで、胸を弾ませている1人(匹)の狐の青年が胸を弾ませていた。
俺の名前はライト。雷を操ることが出来る“雷狐”だ。雷を操るには妖力を消費し、無くなると操れない。(妖力は寝ると回復する。)しかし、妖力を消費せずに使えて、一人一人違い遺伝しない能力“特殊能力”という能力もあり、その強さによって高い地位に登りつめた者もいる程だ。自分の能力は“俊足”。誰よりも速く走れることが自慢だ。自分はついさっき足の速さを活かした配達屋(この世界では車などの乗り物がない。)の“最後”の仕事を終えたばかりだ。自分はさらに速度を上げた。
「遅いなあ、兄者。」
その頃、一人の青年が大きな洋館の前で舌打ちしていた。俺はエント。ライトの双子(この世界は双子が多い。)の弟で炎を操る“炎狐”だ。そんなエントを、
「まあまあ。ギリギリまでお仕事なんやったらしゃあないやん」
となだめているのはスイン。水を操る“水狐”だ。
「でもよお」
「私も同感」
とスインに共感するのはアイン。スインの歳の離れた兄弟だ。突然変異で氷を操れる“氷狐”だ。突然変異とは、両親から遺伝せず、今までにないものを操れるようになることだ。
「お互いのことを紹介しながら待てばいいだろ」
と声を上げたのはフウワ。風を操る“風狐”だ。
「ええ考えや」
「そうだな」
「だろ?」
と勝手に話を進めようとする3人にエントは不満そうな顔を見せたが、3人は気にもとめなっかった。
「私はスイン。水狐で特殊能力は“透化”やで。よろしくな」
「アインだ。氷狐で特殊能力は“嘘見抜き”。よろしく」
「私はフウワ。風狐で特殊能力は“テールハンド”だ。よろしくな」
と自己紹介し合っていると、エントが、
「俺はエント!特殊能力は“特殊毛だ!よろしく!」
と口を挟んで来たが、3人が
「お前には誰も聞いてない」
と言い放ったので、エントが悲しそうな顔を見せていると、足音が聞こえてきた。
「すまん!遅れた!」
と謝ると、エントが
「どんだけ待たされたと思ってんだよ!」
と不機嫌そうに睨んできた。
「まあまあ。そんなことより、5人揃ったから開くんちゃう?」
とスインが言うと、ギギギと門が開き始めた。そこには、1人の青年が立っていた。背は少し低いが、とてつもない妖気を感じて、自然と背筋が伸びる気がした。
「こんにちは。私はこの国の王の側近ギルドと申します。この洋館は元々人間界との”外交“施設でしたが、今はもっと”境目“に近いところにございます。この洋館を本拠として活動してください。期待してますよ、”戦士“たち」
と言うとギルドはすっと消えた。どうやら瞬間移動出来るようだ。
こうして、自分たちの戦いは幕を開けたのだった。
新連載です。
この小説では、主に『読みやすく、しっかりとしたストーリー』『バトルと日常の共存』『キャラクター一人一人への思い入れ』をテーマにしていきたいと思っています。
『読みやすく、しっかりとしたストーリー』とは、最近、すぐに読めるストーリーが普及していることと関係があります。読書は、楽しいものだと思います。しかし、ある程度の区切りがあった方が、スキマ時間などにも読みやすくなると思うのです。
また、小説はやはりしっかりとしたストーリーも重要な要素です。そのため、読みやすさだけを追求してしまうとどうしても長編小説は難しくなります。
そこで、この小説では章を五つの部分に分け、読みやすさと面白さを両立できるようにしました。そのため、改行が著しく少なく、見辛くなっておりますが、その点はご了承下さい。
『バトルと日常の共存』は、どういうことかと言いますと、バトルと日常を両方バランスよく入れたいということです。バトルが長過ぎると決着はまだかと気持ちが焦ってしまいますし、日常に振り切りすぎても『戦士』というものが表現できない気がするのです。ここでは、先程説明致しました五つの部分のうち、四つをバトル、一つを日常を基本とし、あまりにバトルが長引いた時は日常をその後の章で多くするなどの措置を取ることとしました。
『キャラクター一人一人への思い入れ』は、とても大切なことだと個人的には思っています。なぜなら、長編小説、しかもたくさんの人と関わっていく本作では、必ずキャラクター数は膨大な数になります。そうすると、途中で登場しなくなってしまうキャラクターが出てきてもおかしくありません。そうすると、その人物とフォニックスとの関わりがなかったことになってしまいかねません。そこで、必ず一度出したキャラクターは再登場させることをルールとしていきたいです。
最後に、読者様へのお願いです。本作を執筆していくにあたって、皆さまのご意見・ご感想を寄せていただけるとありがたいです。それが、本作を良い方向へと大きく変えていくこととなるでしょう。どんなことでも必ず返信し、次に繋げていきます。
長い後書きとなりましたが、本作をよろしくお願い致します。




