表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

人生の削除ボタン

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

社内情勢を交えた痛烈な皮肉が入ってます。

生きるのって大変ですよね。

バッドエンドとしたのは、結局なんの解決策も提示出来て居ないからです。

二年半継続してやってきたネトゲのデータが吹き飛ばした。データ削除のボタンを軽々しく押し、今までの思い出を丸ごと消した。それでも何処か虚しさを感じて、朝から連帯、復旧コードを打ち込んでも、復活しなかった。

こんなもんか。こんなもんなんだ。終わりって。呆気ないね。


「その割に落ち込んで無いな」

「疲れてしまったもの。新しいクエストを攻略する為に策を練るのも、繰り返されるデイリーに時間を費やすのも。全部」

所変わって大都会の街中。私達はガードレールに凭れる様にして人々の動向を観察していた。

行き交う人々は休日だと言うのに、スーツを着て、草臥れた革靴を履いて、急か急かと道路を渡っていく。疲れ果てた顔はつい先日の私のようだった。繰り返される日常をただ淡々と粉して、それに飽きてしまったような。

「きっと人生の終わりもそうなんじゃないかな。削除ボタンでも押すように、あっさりと死んでしまうのかもね」

ある日突然、噛み合った歯車の様に、運命に従って死んで行くのだと思う。よく終活なんて言うけれど、終わりってそんな身構えてから来てくれるものでも無くない? そこまで優しく無くない?

私の死んだ目を彼は横目で一瞥すると、また都会の喧騒に目を向けた。視線の先には子連れの母親。困惑した顔で必死になってあやしている。大変だよね。相手が赤子であれ、子供であれ、大人であれ、人を相手にするのは。

「生きる事に希望を見い出せないのか?」

「ん。そうかも」

社会人になったら分かる通り、努力は必ず報われるなんて事はない。頑張って稼いだ金の一部は国に吸われるし、使い道なんざ提示してくれない。頑張った意味とは?

少子化を危惧してる奴らは、単純に子どもを産み落とせという。でもSNS見てみろよ。色んな人が苦悩抱えてるから。産めない人、夫婦関係が冷えてる人、育児に疲れ果てている人。皆、皆、苦労に苦労を重ねて今を生きてるから。そんな世界で私は社会に貢献したいとは思えない。国に献上した金だけで精一杯だわ。

そうやって一生搾取され続けるのかと思うと絶望した。本当にちょっとしたきっかけで、人生の削除ボタンを押してしまいそうな程。運命の歯車を自分で弄ってしまいそう。

「どこ見ても絶望ばっか。生まれ変わりたくもない。死んだら私は優しい土の中で眠り続けたい」

突如、頭の上に掌が乗った。そのまま左右に摩る様にして、頭皮に向かって指を埋めに掛かる。此奴がそんな行動に出たのは、きっと持ち合わせる言葉がなかったからだと思う。何を言っても否定してしまうからだと思う。

あぁ、疲れたな……。

データは飛びましたが良い機会だなぁと。

醍醐味を完全に捨てた遊び方をしていたので、もう実況動画で十分だなぁと。

そしてその消し方が余りにも呆気なかったので。

人生終わる時も、きっとこんな感じなんだと思います。

覚悟決める前にサヨナラしてそうな。

待ってくれる程、現実は優しく無いですし。


結婚するのも、子供を産むのも、生半端な覚悟でやってる人、居ないと思うんですよ。

でも、実際に経験しないと、本来の苦しさとか分からないし、思わず愚痴りたくなる気持ちも分かります。

そんな方々にどんな言葉をかければ正解のなのか、分かりません。


だからこの物語の最後も解決策のないバッドエンドなんです。精一杯なんです。頭を撫でてあげるだけで。


吸血鬼の話で、こういったテーマが薄ら出てくるので、今のうちに布石を置いておこうと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ