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「TOKIの世界譚 」宇宙の神秘と日本神話な物語  作者: ごぼうかえる
二話

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竜宮戦10

 「オーナー……天津彦根神(あまつひこねかみ)か」

 プラズマは目を細め、青年を見据えた。緑の長い髪にオレンジの瞳、頭に竜のツノ、ところどころに竜のウロコのようなものが見える。紫の袖無しの着物からは、たくましい腕が覗いていた。


 「て、敵っぽくはないね……」

 リカの言葉にアヤが小さく耳打ちする。


 「この竜宮のオーナーで、龍神のトップ、アマテラス大神の第三子よ……リカ」

 「え、偉い神様……」

 リカは人間離れしている男を恐々見始めた。


 「家之守龍神(いえのもりりゅうのかみ)、どういうことだ、起きなさい」

 オーナー天津(あまつ)は気を失っていた地味子を揺する。


 「……あいつ、そんな名前だったのか……」

 プラズマが地味子の本名に驚いていると、地味子が勢いよく目覚めた。


 「あ、あれ? 私……、って! オーナー天津様っ!? ヒィィィ! お許しを」

 地味子は顔面蒼白で叫び、さらに飛龍にも鋭く声をかける。


 「あ、あんたがオーナーがいない間にやるって言ったんだからね! 半分おどされたんだからね!」

 火の粉が飛んできた飛龍は冷や汗をかきながら、オーナーにはにかんだ。


 「ハードモードも悪くないかなって……」


 「……やはり、お前か。飛龍流女神(ひりゅうながるめのかみ)、また勝手に竜宮を変えたな?」


 「変えたなんてそんな……、竜宮自体はいじってねーよ。チュートリアルでよっわいツアコン置いて、勝てた奴を竜宮に入れるシステムにしただけ! 地味子は案内役と、能力使って竜宮外でもゲームができるようにしてくれていた。まあ、他の龍神はあんたからの罰を恐れていなくなっちまったがね」


 飛龍は苦笑いを浮かべながら、オーナーに言い訳をする。


 オーナーの目付きが鋭くなり、飛龍と地味子は口をそろえて言った。


 「あの! ツアーコンダクターも道連れに!」

 「当たり前だ……。お前達、全員厳罰。私がいなくなるといつもこうだ」

 「ま、待ってくださーい! 私は脅されたんだってばぁ!」

 地味子はあっさりオーナーに担がれ、情けない声をあげながら必死に言い訳をしていた。


 「ちょ、ちょ、マジで竜宮をいじってはないんだっ! ちょっと雰囲気を変えただけでっ!」

 続いて飛龍もあっけなくオーナーに抱えられる。


 あっという間のできごとに、時神達は呆然としていた。


 「ね、ねぇ、ぼうっとしている場合じゃないわ、プラズマ」

 アヤがふと、プラズマの脇をつついた。


 「な、なんだ?」

 「普段竜宮から出ないオーナーが外出していたのよ? 東西南北、太陽、月の会議に出ていたんじゃないかしら?」

 そこから先はわかるでしょと、アヤはオーナーに尋ねるよう、プラズマに目配せをする。


 「はっ! ……そうか」

 プラズマは気がつき、オーナーを呼び止めた。


 「天津(あまつ)、六神会議に出ていたのか? 俺達は時神過去神、栄次を探しているんだ」

 プラズマの言葉に眉を寄せたオーナーは地味子と飛龍を抱えたまま、振り返り、プラズマを見据えた。


 「……礼儀はどうした?」


 「え……ああ、失礼しました。私は時神未来神、湯瀬紅雷王(ゆせ こうらいおう)でございます。あなた様のお名前をうかがってもよろしいでしょうか?」


 プラズマは冷や汗をかきながら、慌てて丁寧に名乗った。


挿絵(By みてみん)


 それを聞きつつ、オーナーはあきれながらプラズマに返答する。


 「私は竜宮城で龍神をまとめている、アマテラスの第三子、天津彦根神(あまつひこねのかみ)である」


 「……んで、時神過去神、栄次を探してんだけど、見てない?」

 オーナーは再び軽くなったプラズマに頭を抱えていたが、しっかり答えた。


 「ああ、それについての会議に出ていたのだ。頭が重い。今回、竜宮は関係がないのだ。ただ、お前達時神が来たことで、無関係ではなくなってしまったが……」

 オーナーの言葉に時神達は目を光らせた。

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― 新着の感想 ―
[一言] オーナー様すごい人…!三菱社長くらい…。びっくりしました。しかしプラズマたちが干渉したせいでうまくいかなくなってしまったとは…いったいどうなってしまうのでしょうか…? それにしてもオーナー様…
2022/06/24 11:44 退会済み
管理
[一言] おおwプラズマ君の敬語!一瞬だったけど!w そんで、上の方でも何やら栄次は問題みたい?ハラハラ。
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