表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/316

ワールドシステム2

 「あの社へ向かったのか?」

 栄次がアヤに目を向けずに尋ねた。


 「ええ……。向かわせたわ。社は神々の霊的空間が広がっているから、どこかには繋がるはず。それより、私達はどうするの?」

 「どうしよっかなぁ……」

 アヤの怯える声を聞きながらプラズマは頭を抱える。


 「こちらの時神三柱、いい感じにあのリカとかいう時神の時間操作のおかげで集まってくれたんで、一気に消せる」

 スサノオは嬉々とした顔でアマノムラクモを構え、言った。


 「冗談じゃない。あんたらの都合で消されてたまるかよ」

 プラズマがスサノオに言い放ち、銃を構える。


 「お前達は消え、リカが時神となる。こちらと向こうの時神にリカがなる。そして世界が再び繋がるんだ」

 スサノオは嬉々とした顔で笑うと、アマノムラクモを構え、突っ込んできた。


 「先程の剣王より、得体がしれないぞ」

 栄次は息を吐くと、そのまま剣を受け止める。


 「うぐっ……」

 スサノオの力は異常だった。重い圧の他、剣に押し潰されそうだった。


 栄次は剣を受け止めるべきではなかったが、アヤとプラズマがいたため、受けざる得なかった。

 プラズマはアヤを連れ、スサノオと距離を取り、的確に銃を撃つ。剣王同様にスサノオはプラズマの光線銃をまるで避けなかったが、当たらなかった。


 「ちっ……当たらない。未来見をして避ける位置も確認して撃ってんだぞ……」

 栄次の肩から血が滲む。


 「栄次っ……しかたねぇ……。俺はこれ、苦手なんだが……」

 プラズマは神力を上げ、手を前にかざした。

 栄次の目の前に脆い結界が現れ、栄次は一瞬だけ逃げることができた。


 「プラズマ、すまぬ」

 「苦手なんだ。微妙で悪い!」

 栄次にプラズマは必死にあやまった。


 「あー、ちまちまやんのかよ、めんどくせーな。これ、剣を使うまでもねぇか」

 スサノオは距離を取った栄次に狙いを定め、強力な神力をぶつける。栄次は一瞬で気を失い、その場に倒れた。


 「栄次っ!」

 「これでいいんだ。後で始末すりゃあいい。一柱目はもう終わりだ」

 スサノオは嘲笑し、今度はプラズマに目を向ける。


 「……くぅ……俺がアヤと栄次を守らねぇと……」

 「ね、ねぇプラズマ……」

 「アヤ……あんただけは守ってやるよ……」

 プラズマは苦笑いでアヤにそう言った。


 スサノオは強力な神力をこちらに再び向け、プラズマとアヤを同時に狙う。 


 プラズマはアヤの前に入り、神力をさらに高め、結界を張った。


 スサノオの神力をプラズマはなんとか受け止め、失神は回避する。


 「はあ……はあ……なんだ、この力……」

 「プラズマ……私……」

 アヤがプラズマに寄ろうとしたが、プラズマは止めた。


 「来んな。死ぬぞ」

 プラズマの口から血が漏れる。

 神力は神々の元々の力。

 武神、軍神などの神力は内部から破壊するほどの攻撃威力がある。産み出す神々の神力は癒しをもたらす。神力の系統により、方面が変わるのだ。


 「倒れないか。では、もう一段階あげよう」

 「死ぬか……。死ぬよな」

 プラズマは軽く笑った。


 スサノオは蹂躙するようにプラズマに鋭い神力を再びぶつける。

 プラズマは手を前にかざし、先程よりも強い結界を張った。

 しかし、今回は身体中切り刻まれた。


 「プラズマっ!」

 アヤの叫びが響く。プラズマは膝をつくが、倒れずに失神を回避する。


 「ほー、まだ倒れないか。なら、普通に剣で刺した方が早いな」

 プラズマは霞む目でスサノオの剣撃を見、丸腰のまま、剣を受け流す。スサノオの剣はプラズマの鼻をかすり、空を切った。


 「そんなこともできるのか」

 「……そんな簡単にはやられないぜ」

 プラズマはスサノオを睨み付け、再び剣を受け流す。


 受け止めるわけでも避けるわけでもなく、受け流した。


 「厄介だな。ぜひ、次で死んでくれ」

 「そんな簡単には死ねねぇんだよ……」

 プラズマは重い神力を浴びながらスサノオの剣を受け流し続ける。


挿絵(By みてみん)

 アヤはそれを見ながら、どうすれば良いのか必死で考えていた。


 「……そうだわ。私は時間操作ができる。プラズマと栄次の時間を巻き戻せば……」

 アヤはすぐに試すことにした。

 早くしなければ、プラズマがやられる。

 アヤは神力を高め、栄次とプラズマに巻き戻しの時間の鎖を巻く。


 「お願い……うまくいって!」

 アヤの突然の行動にスサノオの目が見開かれた。


 「現代神が一番厄介か」

 スサノオがアヤに目を向けた刹那、栄次が斬りかかっていた。


 スサノオは再び、神力を向けるが、プラズマが結界を出現させ、神力をすり抜けさせる。

 隙ができたスサノオから、栄次とプラズマがアヤの元へと逃げた。


 「うまくいったわ!」

 「アヤ、助かった。正直、死んだと思ったぜ」

 「なにが、どうなっている」

 栄次はなんだかわからぬまま、とりあえずプラズマを助けたようだ。


 「アヤが時間操作して、俺達の体力をスサノオと戦う前にしたんだよ」

 「そういうことか」

 「なんとか俺達の力を組み合わせて耐えるぞ! リカはきっと、スサノオをなんとかする方法を見つけてくれるはずだ」

 「ああ……」

 栄次、プラズマ、アヤはスサノオの力に負けないよう、神力を高め始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 3人上手く力を合わせれば! みんながんばれー(≧◇≦)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ