選択肢2
カチカチ……。
時計がまわる。
「はあ……」
リカは自室のベッドで雑誌を片手にゴロゴロしていた。時刻は夜の十一時半。
「公園に行くか迷う……」
リカは頭に全く入ってこなかった雑誌を枕元に放ると、考えた。
……そもそも、なんで私は公園にいくことを渋っているのか?
深夜だから外に行きたくない?
信じられないから?
リカはゆっくり起き上がった。
「もう行かなくちゃ……」
エアコンのリモコンを持ち、「停止」ボタンを押そうとしたところで、リカは止まる。
「あ、でも、また帰ってくるか。帰ってきて暑かったらやだし……」
リカはエアコンのリモコンを勉強机に置いた。
……なんか、ひっかかる……。
もう、帰れないかもしれないって気持ち。公園に行くのをためらっているのは……。
リカの脳内に「TOKIの世界書」シリーズの主人公が映った。
アヤ。
時神アヤ。
「……私、あの子と話した……」
瞳が黄色に光り、「エラーが発生しました」という文字が脳内に現れる。
「わた……私が『公園に行きたくない理由』は『何度も同じことをしているから』だ!」
リカは唐突に色々な事を思い出した。
……時神のアヤ、栄次、プラズマ、ワダツミのメグ……そして、歴史神ナオに太陽神サキ!
「マナさん……私を神隠ししようとしてるの? それとも私を向こうの世界に行かせようとしているのは、マナさんじゃないの? ……そもそも……」
リカは体が震えてきた。
おかしなことに気がついてしまったのだ。
「私とマナさん、どこで出会ったの……」
記憶がない。
出会った記憶が。
いつからリカと友達なのか。
……思い……出せない。
「行かなくちゃ……」
リカはエアコンを切ると、覚悟を決めて部屋から出ていった。
……マナさんに会うんだ。