表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/316

真実へ2

 栄次と更夜は剣王と戦っていた。未来は変わらずに同じことをしている。

 剣王の神力は徐々に増し、試験だというのに殺しにきていた。


 「ごめんねぇ~、なんか殺したい気分になってきちゃって。消滅させるつもりじゃなかったんだけどなあ……。なんだかスサノオさんの神力が反応しちゃっててね。ああ、昔から持っているんだよ、存在してない神の神力を」


 剣王はそんなことを言いながら、更夜に回し蹴りをした。


 重くて速い蹴りを避けた更夜だったが、風圧で額を切られた。


 更夜を助けるため、栄次が間に入り、刀で剣王を凪払う。


 剣王は強い神力を発し、栄次を切り刻みに来るが、更夜が結界を張って防いだ。


 「……強すぎる……」

 アヤは血にまみれる栄次と更夜を見、震えながら二人の時間を巻き戻す。もう何度も巻き戻し、アヤの神力は尽きる寸前だった。


 「はあ……はあ……これ以上は……」

 そうつぶやいた時、体に力が入らなくなった。それでもアヤは再び切り刻まれる二人を助けるため、巻き戻しの鎖を巻く。


 「……意識が……」

 アヤが倒れ、しばらくしてから栄次がアヤの状態に気がついた。

 流れる血を拭いながらアヤを抱き起こす。


 「アヤ!」

 アヤを揺すった刹那、栄次の背中から強い神力が風に乗り飛んできた。栄次はアヤにかぶさり、剣王の神力からアヤを守る。


 切り傷が増える栄次を見た更夜が二人の前に入って、結界を張り、致命傷をさけた。


 「……もうだめだ……。更夜……」

 栄次は降伏する時期を見ていた。

 もう少し早く敗けを認めてもよかったと思っていた。


 「更夜……」

 栄次は更夜に呼びかける。


 しかし、更夜はひとりで剣王と戦い始めた。彼は痛覚がないのか、忘れる自己暗示をかけているのかわからないが、手負いでも関係ない動きを見せていた。


 つまり、突然に限界が来るわけだ。更夜は試験関係なく、剣王を殺しにいっている。


 「もうやめろ! 俺達の敗けだ!」


 栄次の呼びかけに更夜は答えず、剣王にかすり傷を負わせ始めた。刀で攻撃し当たらなければ投げ捨て、手裏剣に持ちかえ、手裏剣を投げ、神力を固めた槍を振り回し、クナイを投げ、飛びはね、剣王の背後を狙っている。


 恐ろしいほどに様々な武器を使いこなしている。


 しかし、剣王に傷は負わせられるものの、かすり傷。


 「更夜! もう退け! 剣王に謝罪するのだ! 剣王は俺達を殺しにきている!」

 更夜は刀を地に差し、呼吸を整えると再び剣王に斬りかかる。


 「更夜! 頼む。アヤが死ぬ!」

 血にまみれた更夜は何も答えない。


 「降伏しろ! 更夜!」

 栄次が叫び、更夜は歯を食い縛った。


 「俺は……コイツを許さない。絶対に許さない……」

 更夜はまだ余裕顔の剣王を睨み付けた。剣王は軽く笑う。


 「殺すつもりはなかったんだけどねぇ。楽しくなってきたなあ」

挿絵(By みてみん)

 剣王の一言に更夜の神力がもう一段階上がった。栄次同様、武神の赤い神力が溢れ出す。


 栄次は目を細めた。


 ……あの男は……戦国(時代)からそうだったが恐ろしく強い……。

 武神の力を持ち始めたのか?


 だが……剣王は真正面からぶつかって勝てる相手ではないのだ。

 それは俺が一番わかっている。


 「俺は敗けたのだ……一度」

 栄次は気を失ったアヤを優しく離し、立ち上がった。

 「更夜を止めなくては」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり強い! それが存在してない神の神力のせいなのかしら…… 正面突破は無理そうだなぁ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ