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「TOKIの世界譚 」宇宙の神秘と日本神話な物語  作者: ごぼうかえる
七話

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真実へ1

 一方、リカは高天原西に落とされた。ツルが言うには、東にいると誰かに絶対に見つかるらしい。


 それはそうだろう。

 これから時神が東に一度、揃ってしまうのだから。


 「でも……」

 リカはルナを止めたかった。


 しばらく、考えたら答えはすぐに出た。

 本当はわかっていたのかもしれない。


 リカはループを繰り返した少し前の「あの時」に、マナから「変えられない運命」があることを散々教えられた。


 プラズマが封印されてしまうのは、もう大筋になっており、変えられないのかもしれない。


 「なんか……小説みたい……」

 リカは小説を書く人間の過程に近いと思った。

 大筋は決められており、細かい部分は創作者により変えられる。


 世界は常に、誰かに操作されているのかもしれない。


 「私がここに降ろされた理由はなんだろ……。過去と未来を上手く繋ぐためか?」

 ここにいればいずれ、元の自分と重なる。

 ひとつに戻るはずだ。


 「私のやることは……?」

 リカが剣王の城へたどり着いた頃には、栄次と更夜が血まみれで剣王と戦っていた。


 「……!」

 戦況を恐々見守っていたリカは逢夜と離れ走り出す。


 走ってくるリカと城へ向かうリカが重なる。

 一瞬記憶が混ざり、何をするべきか混乱した。


 「弐の世界にっ……行かなくちゃ?」

 当時のリカは弐の世界へ行くつもりだった。


 しかし、今は立ち止まる。

 再び剣王の城へ向かい、逢夜に会った。


 「帰ってきたのか」

 逢夜は驚く感じでもなく、そう尋ねてきた。


 「あなたが……事情通だった理由がわかった気がする」


 「弐の世界にいるお仲間さんを助けられたのか?」

 リカの言葉に逢夜は答えずに、質問を重ねてきた。


 「あなたが言う、仲間っていうのは、サヨですね? ルナの力を知っていたのはなぜ?」


 「……俺が望月家で霊でもあるからだよ。望月家の能力はわかる。監視しているからな。……道は見つけたのか? 助かる道は」

 逢夜に言われ、リカは思い出した。


 「……いずれ、スサノオが剣王に命じ、時神を殺し始める……。スサノオと共にいるのはマナさん……。マナさんを止めなきゃ……! サヨも心配だし、弐に行こう!」

 リカは再び走り出す。


 サヨが「許可」しないかぎり、リカは弐の世界に入れないことをリカは知らない。


※※


 サヨは宇宙空間を力なく浮遊していた。ワイズはサヨに鋭い神力を向け、結果、サヨは負けた。


 ワイズは辻褄を合わせるため、余裕顔で高天原会議に出てから、再びこちらに戻ってきた。


 「望月サヨ、どうだ? 少しは休めたかYO? いい加減、リカを呼び戻せ」

 「はあ……はあ……やだ! あんたはいずれ負けるよ。ルナが、やってくれるからね」


 移動していた封印空間が再び戻ってくる。封印空間の扉を開こうとしていたサヨと今のサヨが重なった。


 「エラーが出ずにすんだ! やった!」

 サヨは喜んだが同時にリカにエラーが出ることに気がつく。


 ……やば……リカが弐の世界にいないと、過去戻りしたタイミングと変わる……。


 「そうだ、サヨ。リカは弐の世界に『今』いないといけないんだよNA。これからお前らは合流し、ルナの力で過去に戻る。違うか? サヨ」


 「……ちっ」

 ワイズの言葉にサヨは舌打ちをした。


 「戻せ……弐に。今すぐにだ」

 ワイズはサヨを嘲笑する。


 ……プラズマ、まだ出てこないの?

 なにやってんの、

 あの兄ちゃんはっ!

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― 新着の感想 ―
[一言] ワイズがいちいち憎たらしいぃ(≧◇≦) プラズマはもう少しのはず?リカも弐に向かってる……
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