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リカを守れ3

 「冷林……何をしにきた」

 栄次は突然現れた冷林に刺々しく尋ねた。冷林はアヤにだっこされたまま、何も話さない。


 「俺達はこれから、プラズマを助けに行く。お前は何をしに来たのだ? 止めにきたのか?」

 栄次の問いに冷林は首を横に振った。


 「まあ、良い。何をしにきたのか、過去を見ればわかる」

 栄次は冷林に冷たく言い放ち、過去見をする。栄次もルナを助けてくれなかった冷林に怒っていたようだ。


 「そういうことか」

 栄次はため息混じりに眉間のシワを手で伸ばした。


 「どういうこと?」

 アヤが尋ね、栄次は頷いた。


 「軽く過去を見たが、西と東に何か吹き込まれたようだ。とりあえず、プラズマを助けたいがどうすれば良いか……」

 栄次は冷林を睨み付けつつ、腕を組み、更夜は栄次にやることを確認させる。


 「ルナはいいように使われた。今はプラズマを封印した理由を探り、プラズマを封印から解く」


 「だが、勝手にはできない。罪に問われる可能性がある。剣王、ワイズは曲者だ。そう簡単には……」

 栄次が更夜に目を向けた時、更夜は忍時代と同じ表情で冷淡に笑った。


 「栄次、そうやって動かないつもりか?」

 「そういう意味ではなく……」

 「だからお前は甘いんだ」

 更夜は着物の袖から真っ赤なチラシを取り出した。


 「これを使って邪魔な剣王を地に落としてやる」

 栄次は目を見開いて、珍しく驚く。更夜が取り出したのは、高天原西の仕官方法の紙だった。


 西に入るために剣王が指定した神と戦い、勝てば剣王と対戦、剣王が適正と判断すれば軍に加入できる仕組みのようだ。


 「お前、どこでそれを!?」

 「お前、俺を誰だと思ってる」

 更夜は冷酷な笑みを栄次に向け、笑っていた。

なんだか、更夜の怒りを心の奥に感じる。

挿絵(By みてみん)

 「一応聞くが、これでどうするつもりだ?」

 「神力をプラズマに巻いたのは誰だ?」

 更夜に逆に問われた栄次は冷や汗をかきながら更夜に答える。


 「剣王だ」

 「なら、封印を解くのに手っ取り早いのはなんだ?」

 更夜にさらに尋ねられ、栄次は頭を抱えた。


 「剣王の神力を減らすことだな」

 「ぬるいことを言ってるな、栄次。再起不能になるくらい打ちのめすんだ。最高だろ?」

 「やはりな……。なぜ、お前はそんなに気性が荒いのだ……」

 眉間に再びシワを寄せた栄次を更夜は冷たく笑い飛ばした。


 「こいつはな、剣王の駕籠に貼ってあったのを持ってきたんだ。ちょうどいいと思ってなァ。正当に喧嘩ができる」


 「ああ……まいった。お前らしいと言えば、お前らしい……。俺は一度、剣王に負けている。簡単ではないぞ」

 栄次に言われ、更夜は恐ろしい神力を栄次に向けた。


 「俺はまだ四百歳だが、こういうのは神力だけじゃねぇ……。……だろ? 栄次」


 「あつくなるな、更夜……。確かにお前は四百歳の神とは思えないな……」

 栄次はため息混じりにつぶやく。


 「おじいちゃん……怖い……」

 気がつくと、ルナが更夜の神力に怯えて泣き始めた。 


 「……わ、悪かった。ごめんな、ルナ。……とりあえず、もう一度、冷林の過去を見ろ」

 更夜は慌てて雰囲気を元に戻し、栄次にそう言った。


 「鶴に家に戻るのは待ってもらうわ。この辺を飛んでいてもらうわね」

 アヤが冷林を抱きながら、鶴に飛んでいてもらうように言う。


 「私もなんか役に立てたら良かったのですが……」

 リカは役に立とうと色々考えるが、高天原のことすらよくわかっていないリカには何もできなかった。


 「さて、何があったのか、詳しく見させてもらうぞ」

 栄次はまた冷林の過去見をし始めた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更夜もだいぶご立腹! 正攻法でいこうというのはいいけど、強いんだよねぇ剣王。上手くいけばいいけど……
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