表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/316

すれ違う二人2

 ルナはだんだんと力の使い方がわからなくなっていた。

 なかなか制御ができない。

 たまに、感情の高ぶりで勝手に発動する。


 ルナの感情が不安定になり、神力が半分暴走していただけだが、ルナがそれを知るはずもない。


 ルナは更夜の前で正座させられていた。場所はお仕置き部屋だ。


 嘘をついてばかりだったルナは更夜に泣いて言い訳をしても信じてもらえない。

 もう、あれから何度もこの部屋に入れられている。


 更夜は日に日に厳しくなり、ルナに優しくしてくれなくなった。

 常に厳しくルナを管理している。


 「ルナ、何度目だ」

 「ちがう! ルナは知らない! 力が勝手にやったの!」

 ルナは必死で更夜に叫ぶが、更夜は優しい顔はしてくれなかった。


 「嘘ばかりつくのはなぜだ!」

 更夜はルナの肩を乱暴に掴み、揺する。更夜にいままでこんな乱暴にされたことがないルナは悲しくなり、泣いた。


 「なんでわからないの! お姉ちゃんのカエル消しゴムはなんとなく持っただけ!」

 「いい加減にしろ! 叱っているのは俺だ! 言葉を直せ!」

 更夜はいつもより強くルナの手を叩いた。


 「痛いぃ!」

 「言ってわからんやつは叩くしかないだろう」

 「うぇぇぇん! 今回は勝手に時間停止が出たのー!」

 ルナは大泣きし、更夜はルナに毎回厳しいお仕置きをする。

 ルナはだんだん気持ちが曲がっていった。


 「同じことの繰り返しだな」

 「ちが……ちがうの」

 「ああ、サヨ達に夕飯を作る時間だ」

 更夜は部屋の電気を消すと立ち上がった。


 「ま、待って! おじいちゃん! ルナ反省したからだっこして! おじいちゃん、置いていかないで!」

 「何度目だ! 時間を停止させ、サヨの物をとり、スズのせいにする」

 「それをやろうとしてやったのは一回だけだったの!」

 ルナは泣きながら更夜にすがるが更夜はルナを振り払うと、厳しく言った。


 「お仕置きはサヨ達の夕飯の後だ。お前はそこで正座していろ。夕飯は抜きだ」

 「そんな……」

 障子扉は乱暴に閉められた。

 暗い部屋の中、ルナの嗚咽が静かに響く。


 「ルナのごはんないんだ。皆でごはん食べ終わって遊ぶ時間にルナは、おしりをいっぱい叩かれるんだね。わかったよ。……おじいちゃんはルナが嫌いなんだ」

 ルナは悲しくなった。


 ……あっちのルナはお父さん、お母さんがいて、とても幸せそうだった。

挿絵(By みてみん)

 ルナは涙をこぼしながら、素直に正座をし、更夜が来るのを暗い部屋でただ、待っていた。

 涙を流すルナの瞳に再び電子数字が流れる。


 「かこ、みらい、異世界を見る能力? ルナは……時神の上に立つ……神? そうなんだ。ルナ、おじいちゃんより偉いんだ」

 ルナは軽く微笑む。

 更夜への反抗心が明確に芽生えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] きちんと力をよく知ってから、使い所を学んでほしいと願う更夜と、幼さ故に力が溢れ出てしまっているだけのルナ。その2人のすれ違いが悲しく響きますね…。神ゆえにひどい喧嘩になりそうで…ただ、雨が降…
2022/07/27 12:31 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ