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「TOKIの世界譚 」宇宙の神秘と日本神話な物語  作者: ごぼうかえる
一話

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108/318

月の女神4

 「こちらの世界の他に、お前が行った世界がある。その世界には時の神が住んでいて、時間が狂わないよう守っている。お前は守っていたものを壊すという事をしたんだ。向こうの時神に迷惑がかかった。……神が世界をいじるとな、世界が滅ぶんだ。つまりなくなる」


 更夜はルナの両手を握り、目を見て話す。ルナは更夜から目を離せずに更夜の話を黙って聞いていた。


 「で、でも……ネコさんは元気になったよ」


 「ルナ、あの猫はもう寿命だったんだ。あちらの世界で死ぬと肉体は残るが、心はこちらに来る。こちらで自由に駆け回れるんだ。お前はな、こちらで楽しそうに駆けて遊んでいた猫を赤子に戻し、もう去るはずだったあの世界にまた戻したんだ。猫は喜んではいないぞ。戸惑い、泣いていたんだ」


 更夜の言葉を聞いたルナは初めて目に涙を浮かべた。


 「……ルナ、知らなかった」

 「ああ、知らなかったな。知らない事は悪い事じゃない」

 更夜はルナの頭を優しく撫でる。


 「約束を破ってはいけないことがわからなかったなら、俺に聞けば良かったんだ」

 「わからなかった……」

 ルナはうつむいた。


 「ルナ、反省できたか? 反省したなら『ごめんなさい』だぞ」

 更夜に促され、ルナは頭を下げ、あやまった。


 「ごめんなさい」


 「さて、では今後忘れぬよう、ケジメをつけようか」

 「ケジメ?」

 ルナは目に涙を浮かべ、更夜を見上げた。


 「ああ、破ってはいけない約束を破ったから、厳しくお仕置きをするということだ」

 「おしおき……?」

 ルナが首を傾げた刹那、更夜の雰囲気が変わった。刺々しい刺すような恐怖がルナを襲う。


 「やっ……」

 ルナは怖がり、逃げようとするが、更夜はそれを許さず、ルナを睨み付けた。


 「ここはお仕置き部屋だ。ルールは逃げてはいけない、それだけだ。サヨはちゃんと守るぞ? 下に履いているものをすべて脱ぎ、膝に来なさい。今からお尻百叩きのお仕置きだ。お仕置きを受けないならば、俺はお前を許さん」

 「そんな……ルナは知らなかっただけだよ! 知らなかったの!」

 ルナは泣きながら言い訳を並べた。


 「知らなかったのは仕方がない。だが、お前がやったことは重い」

 「で、でも!」

 ルナがさらに言い訳を追加しようとした刹那、更夜が自身の腿を思い切り叩いた。


 「言い訳ばかりするな!」

 「ひっ」

 「やってしまったのは仕方がない。だが、子供だろうがなんだろうが、責任はとらねばならない。お前はサヨとは違う! 世界を破壊できる力を持っているんだぞ!」


 「そんなの知らないよ!」

 ルナは泣き叫び、更夜は息を吐くと、ルナに目線を合わせた。


 「今、知ったはずだ。もう一度言う。お前は世界を破壊できる力を持っている」


 「知らない! 知らない!」

 「いい加減にしろ!」

 更夜は言うことを聞かないルナを無理やり膝に乗せ、ズボンと下着を乱暴におろし、ルナのお尻を手加減なしに叩き始めた。


 「大人しく来なかった故、五回追加だ、ルナ!」

 「痛い! あう……ごめんなさい! 痛ぁい!」

 ルナの泣き声と謝罪、お尻を叩く音が廊下にも響いていた。


 ルナの泣き声と容赦ない平手の音を聞き、サヨは怯える。


 「痛いんだよね。おじいちゃんの本気のお尻百叩きは……。ルナ、初めてか。これで懲りたらやらなくなるかな。ルナがやったことは確かにヤバイ。アヤがなんとかしたから高天原に知られずに済んだけど、見つかったら、誰かが責任をとらなきゃだしね」


 サヨは静かにお仕置き部屋から離れた。


 ここから更夜とルナはすれ違っていく事となる。

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