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「10話」臭い魚を抱く勇者

次の日、サイラスの家で目を覚ました3人。

「よーし! どこの商会か分からないが食料をいただきに行くぞ!」

「おー!」


また情報収集をしに街に出かける。

もう食料が手に入る寸前の所まで来ていると思っている3人は、顔の緩みが止まらない。

そんな顔で人に声をかけるわけだから、全員が逃げていく。

当然情報も集まらない。

途中、その顔を恐れない魚屋のおばさんに話を聞けたが、肝心な事は聞けなかった。

それどころか、旦那の愚痴と金がない愚痴とダイエットが成功しない愚痴を聞かされた。

3人とも内心では「興味ねぇ」と思っているが言えるはずもない。

結局解放されたのは2時間後、おばさんはシャマル達に腐りかけの魚を渡した。


「きっと何かの役にたつよ。持っておいき」

「たたねーよ! くせぇだけだよ! お前と同じだよ!」


シャマルの悪い癖だ。

魔界で癖が強い奴らの相手をしていたせいで、すぐつっこんでしまう。

そして、何故か一言多いのはご愛嬌。


「いいから持っていきな! 」


「なんだよあのババア! 今度会ったら20回くらい殴ってやる!」

人間になってしまった今、シャマルにそんな度胸はない。

ちょっと見栄を張っているだけだ。


「見栄はらなくていいぞ。お前がやってんのは、好きなクラスメイトにかっこ悪い所見せたくないから先生に楯突く中学生のそれだ」

「何だその比喩! 分かりやすいようで分かりにくいぞ!」


大分仲良くなってきたのか、サイラスも変な比喩を言い始めた。

でもさっきの事で、三人の顔の緩みは少し治まった。


「そんな事言ってたら時間なくなりますよ! 早く聞き込みに行きましょう!」


一番しっかりしている10代

ボケてばかりの20代

転生してまだ四日しかたってない2700歳。

とても特殊なパーティーだ。


ともかく、三人は聞き込みを再開。

なんだかんだ根は真面目な三人という事もあり、やることはやる。

ふざけず真面目に聞き込みをした三人は、僅か1時間で情報を集めた。

シャマルは臭い魚を持っていたので隔離されていたけれど。

三人はサイラスの家に帰って情報を整理した。


「今わかっている情報を整理すると、荒らされている畑はロンダー商会のもので、魔物に荒らされていると。でも怪我人は出てなくて、荒らされる前日に畑には変な物の影があったかもしれないって事。そしてシャマル様が臭いから家から閉め出されているということですね」

「ちょっと待て! 臭いのは俺じゃない! 魚だ魚!」


シャマルは、扉をドンドンと叩いて抗議する。

どんなに叩いても中の2人は扉を開ける気などないが。


「臭い奴はおいとくとして、明日ロンダー商会の畑に行って交渉ってことだな」

「そうなりますね」

「魚だよ! 俺じゃねーよ!」


「勇者の威厳はどこへ行ったんでしょう」

「そんなもん最初からねぇよ」

「そういえばそうかもしれません」


呆れる2人。それをものともしないバカ勇者。


「よし、今日はそろそろ寝ようか」

「はい、そうしましょうか」

「うん! そろそろここ開けて!」


静かに眠る二人。


「あれ? 開かねぇぞ? おーい! 開けろって! お前ら開けろって! ここで寝かせる気!?勇者だぜ? ほんとに驚きだよ!てかパール!おい!お前俺に憧れてんじゃないのかよ!」


結局このあと近所の人に怒られて、魚と寝た。



ボケるの楽しいですwでも話は破綻させないよ。

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