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ー第1章ーハジマリ
続きです
「ふぅ〜……、美味かったな!」
「…………疲れた」
ごちそうを食べ終えた俺達は部屋に戻った
「…………なぁ、どこかおかしくないか?」
部屋に入った瞬間、雫石がそんなことを言い出した
「おかしい……って?」
凌が尋ねると雫石は、
「迅、鞄はここに置いてたか?」
と言った
「……いや、こんなところには置いてなかったぞ」
「………………え?」
その場が凍りついた
「ちょ……ちょっと待て。本当に、動かしてないんだな?」
「………俺は嘘なんかつかない」
「じゃあ、動かしたのは誰だ?」
「も……もしかして、幽霊?」
数十秒間の沈黙
「な……ないないない!それは絶対にない!!!」
直哉が引きつった顔で真っ向に否定した
「………俺のぬいぐるみ、動いてる」
迅が指差した先には、鞄についているぬいぐるみが左右に揺れていた
それを見た直哉は気絶してしまった
続きます