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猫に転生してみたら案外楽しい  作者: 気まぐれ猫
2/2

目覚めと大妖怪

字数が少ないけど、新人だから許してください。

意識が浮上する。

そのまま目を開けると、そこには…


黒い何か。


驚いて身じろぎをすると、その何かも動いた。

あ、これ自分か。

そう認識したら、神という名の管理人に転生させられたのを思い出した。

どうやら黒い猫又のようだ。

いい仕事をするではないか。


どうやらここは森の中らしい。

自分がいるところは少し広場のようになっている。


「(ステータス)」


名前:

種族:猫又(妖怪)

スキル:【異世界言語理解】

【幻術】

【威圧】

【時空属性】

【火属性】

称号:【天才】

【記憶王】


名前無いな。

設定も出来ないようだ。


【天才】

全てのスキルを取得できる。


【記憶王】

全ての事柄を覚えやすく忘れにくい。


どうやら良いものをもらったようだ。


「____!__っ!」


ん、人の声?何やら叫んでいる。

足音からして4人くらいだろうか。

ここに近づいている。

何だか嫌な予感がする。


深い茂みに隠れると、すぐにそれは現れた。

息を殺して様子を見る。


「っくそ、お前が騒ぐからどっか逃げたじゃねーか!」


「お前は少し静かにできんのか。イカム。」


イカムと呼ばれた青年が激昂する。


「はぁ?!俺がうるさいのは誰のせいだと思ってんだよっ!」


苦労人っぽいな。


「まぁまぁ、落ち着け。イカムもアルラも。」


穏やかな声が制する。


「…いや、元はお前のせいだから。」


イカムが突っ込む。


「俺は落ち着いてるぞ、アルト。」


「そう?」


「…そんな事より、妖怪を探すべき。」


女の声だ。静かと言うよりは、冷酷な声だ。


「そうだったな。少しおふざけが過ぎた。」


「ここら辺で妖怪が発生した気がするんだけどなー。遠くには行ってないと思うんだけど。」


「早いとこ見つけてさっさと帰るぞ。発生したばっかならいうことを聞きやすいからな。」


「壁にはぴったりだよねー。」


…壁。

つまり肉壁のことだろう。

隠れて正解だったな。


「…ここらには居なさそうだな。少し遠くを探してみよう。」


足音が近づいてくる。

え、まじか。どうしよう。


…不意に、ガサリと音がした。

それは、自分の方ではなく、広場を挟んで反対側の方で聞こえた。


「っ!そこにいた…か…?」


「…おいおい、まじかよ…!」


現れたのは、非常に大きな猫。

人間くらいだろうか?

漆黒の毛並みに、爛々と輝く真っ赤な目。尾が2本以上ある。

その猫が放つ威圧感が、とても怒っていることを表している。

どこまでも冷たいそれが、人間の行動を阻害していた。


「…ぁ、」


女が、恐怖に負けたように声を発する。


瞬間、音も無く女の頭が落ちた。


「あ、うわああああぁっ!!」


人間が走り出す。

が、首を落とされる。

残り2つも落としてしまうと、その猫は今度はこちらに近づいた。


「怪我は…無いようだな。」


「うぇ?」


しまった、変な声が出た。


「さっきのは、妖怪を使役して良いように利用しようとする奴らだ。

…全く、嘆かわしい。」


「…ぅえっと、あなたは…?」


「ああ、説明してなかったか。我は、この森の主をしている妖怪だ。」


そうだったのか。…確かに、威厳に溢れている。

彼(妖怪に性別は無い)から発せられるオーラはもう穏やかだが。


「…ふむ、やはりか。」


何がだ?


「何が…って顔をしているな。我を前にして恐れないということは、つまりそういうことであろう。」


そういうことってどういうこと。

彼はもしかしなくても、大妖怪なのだろう。

恐れないのはおかしいのかもしれない。


「お主は、我の発するオーラから生まれた、とても稀有な存在なのだろう。恐らくは。」


言われた瞬間、何故だかしっくりきた。


「…よし、決めたぞ。お主に名前を付けよう。」


「名前?」


「ああ。我らの名前には、力があるんだ。だから名付けにはかなりの力を必要とするんだが…。まぁ、我なら問題ないだろう。それに、自分の子に名前を付けるのは当たり前だろう?」


そういうなり、彼は悩み始めた。


何故だか置いてけぼりを食らっている気がする。

よし、決めたぞ。と声が聞こえたのはそれから5分後の事である。


「お主の名は、夕闇(ゆうやみ)だ。」


彼がそう言った瞬間、自分を中心に光が

発生した。


「っ!?」


「驚いたか?名付けが成功すると、人型以外はこうなる。」


満足そうに彼が言う。

力が漲るような感覚と共に、脳内にアナウンスが響き渡る。


『名付けを確認…受理しました。


親の種族を確認…


バランスを確認…


神の祝福(ギフト)の選別…完了しました。


受け渡しをします。』


今の声…あの管理人か?


『スキル【闇属性】【隠密】、称号【大妖怪の子】を取得しました。』


何か手に入れたな。名前が力を持つってこういうことか。


ステータス

名前:夕闇

種族:猫又(妖怪)

スキル:【異世界言語理解】

【幻術】

【威圧】

【隠密】

【時空属性】

【火属性】

【闇属性】

称号:【天才】

【記憶王】

【大妖怪の子】


【大妖怪の子】

大妖怪の発する妖力から生まれた、とても稀有な存在である証。ある程度の威圧に屈しなくなる。


うむ、これまた良さげな称号。


「…よし、こんなものか。夕闇よ、お主は生まれたばかりだ。我が直々に物事を教えてやろう。」


「物事?」


「ああ。戦い方もそうだが、常識なんて知らないだろう。」


そっか、確かに分からないな。

教えてもらうのがいいだろう。


「…よろしくお願いします。」


「はは、そんなに堅くなるな。」


では早速、始めるとしようではないか。


そんな掛け声と共に、その場で妖怪講義が始まったのであった。


早速人が死んでるけど、新人だから許してください。

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