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猫に転生してみたら案外楽しい  作者: 気まぐれ猫
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神様?いいえ管理人です。

よろしくお願いします。

ぼんやりと、意識がはっきりしない。

自分は、誰だ?

消えそうな意識を掻き集めてようやく思い出したのは、自分が何かの事故で死んでしまったということだった。

大切な人がいた気がすること、どうやら自分はその人を守れなかったようだということを思い出して、やっと意識がはっきりした。

『驚いた。思い出せるのか。』

不意に響いたのは、中性的な声。

驚いたという割には非常に冷静な声だ。

『よく言われるんだよね。お前は感情がないのかって。』

心を読まれた?あ、もしかしてあれか。神様ってやつか。そして転生するパターンのあれか?

『小説にあるよねー。凄いよね。あれ、中々に当を得てるよ。』

そうだったのか。つか分かるのか。んで、貴方は神様ってやつなの?

『適応力高いね。…まぁ、そんな感じ。実際には管理人の方が近いかな?』

つまり、地球の管理人ってこと?

『そうそう。…そろそろ本題に移らせてもらうよ。』



姿見せられなくてごめんね。

そう言って語り始めた管理人の話は、まとめてみるとこうだ。

•地球のバランスを保つのが管理人の仕事

•どうやら、地球のバランスが崩れてきてしまっている

•バランスを保つには、人間を間引く必要がある

要するに、自分はこの管理人に間引かれてしまったというわけだ。

『飲み込みが早くて助かるよ。』

管理人とはいえ、生命を殺すのはいけないらしい。

埋め合わせとして、別の世界に転生させるのだとか。

『ほんと早くて助かる。君の前に何人も同じこと説明したんだけど、怒る人やら泣きわめく人やらでどうしようもなくて。気持ちは分からなくも無いけどさぁ。』

感情がこもらない声が悩ましげにつぶやく。

『…よし、決めた!君にギフトを授けよう。』

ん?あぁ、神の祝福(ギフト)か。

『そうそう。普通ならあげないんだけど、気に入ったから、特別。』

え、いいの?本当に?

『うん。チートはさすがに駄目だけど。』

ですよねー。でもまあ、自分はチートは好きじゃないからいいか。

『なんか希望はある?とりあえず欲しいの言ってみて。』

お、じゃ早速。

その世界の言語を読み書き出来るようなやつとか、

『【異世界言語理解】ね。いいよ。』

努力するだけ身に付くのとか、

『称号【天才】がいいかなー。』

物事を一瞬で覚えて忘れないのとかは?

『んー…完全は無理だけど、称号【記憶王】かなー。』

まじか、言ってみるもんだな。

そうだな、ほかには…不老はさすがにチートか?

『そうだね。でもまあ、出来なくは無いかな。』

そなの?

『うん。…人間を辞めれば。』

そっかー、じゃ、辞めよう。

『言うと思った。そうだな、妖怪とかがいいかなー。』

妖怪?いるの?

『うん。魔法ありの異世界が良いだろうからってあらかじめ転生先を決めていたんだけど、そこなら妖怪がいるんだよね。』

へー。魔物と何が違うの?

『魔物は知性がなく、魔素という魔力の元から自然発生したもの。魔力が薄いと生きることが出来ない。妖怪は知性があり、人間の感情から生まれたもの。人間の感情がある限りいくらでも生きることが出来る。ってぐらいかな?』

なるほど、妖怪は高等生物なのか。

『言っちゃえばそんな感じ。どうする?妖怪になる?』

ここまで聞いちゃったらねー。猫又がいいな。

『了解。…それじゃ、問題ないから、転生する時に授けるよ。』



『よし、言うべきことはなくなった。…何か聞きたいことはある?』

そうだな、ステータスの確認方法ってある?

『あるよ。ステータスって念じると見える。』

その世界での妖怪の立場って?

『知性が人間より優れてるから、畏怖の対象になってるよ。

一部の地域を除いてね。』

その地域って?

『妖怪の生まれる場所、トゥーラン。君が生まれる場所。』

わかった、ありがとう。

『どういたしまして。そろそろ生まれるかい?』

うん。結構わくわくしてるんだよね。

『そっか。…んじゃ、ここ通って。』

そう声が言うと、青色に輝く、ゲートのようなものが出現する。

躊躇なく踏み込むと、意識が遠くなるのがわかった。


『それじゃ、より良い生を送れるように祈ってるよ。』


そう管理人が言うと、青い光の間に、何かが見えた気がした。




『ずいぶんと読めない奴だったな。何かわかるかと思ったんだけど。』

意見は受け付けてます。甘受します。でも悪口は受け付けてません。

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