寝ぼけて食べた。
父と兄にクーちゃんを見せた。
「変わったトカゲだなあ」
「何食べるんだ?」
「何でも食べるよー」
眠ってるクーちゃんのそばには、おやつ用の卵の殻を置いてある。それを一欠片、クーちゃんの口元に持っていってツンツンすると、うっすらと目を開けて、パクリと食べる。
食べ終わると、また目を閉じて寝てしまう。
たまに、こうやってクーちゃんを起こしている。
寝ぼけて食べているようで、大きな物を上げると食べながら寝てしまう。食べ物を抱えて眠る姿がまた可愛い。
「どの位大きくなるんだろう?」
兄が心配そうに言う。
「トカゲなら大きくても犬くらいだろう」
父が応える。
「犬ほどしか食わなきゃいいけどな…」
兄は食料が心配のようだ。
「木の実を色々採ってきてるから大丈夫だよ」
クーちゃんには、森の小動物が食べるような物も与えている。
その日の食事の余り物がメインだから、木の実はおやつ用だけど。
そういうことを色々言うと、兄の不安は解消したようだ。
「じゃあ、問題ないな」
ホッとしたように言う。
留守の間のことが、色々心配なのだろう。兄が父に付いて行くようになって、まだ半年しかたっていないから、父ほど慣れていないのだ。