表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/67

父と兄が帰ってきた。

 二月ぶりに、父と兄が帰ってきた。



 父は行商人だ。担当の地域をあちこち回っているから、二月に一度くらいしか帰って来ない。

 兄も見習いとして付いて行ってるので、普段は母と二人暮らしだ。



「ティン、ほらお土産」

 兄が貝殻をくれた。

「中身は?」

 綺麗な青色だけど、食べられるほうがいい。

「ティンはまだまだ子供だなあ」

 兄が笑うけど、小さい頃のほうが喜んだと思う。それに、まだ10歳だ。子供で何が悪い。


「ティニア、これはどうだ?」

 父が服をくれた。ビラビラしている。

「もっと動きやすいのがいい」

 そう言って、服を返す。やっぱりまだ早い、と兄が笑う。

 父には悪いけど、女の子らしい服は嫌いなのだ。

「母さんにはコレ」

 父が別の服を手渡した。

「あら、すごく手触りがいいわ」

 母の嬉しそうな顔に、父も満足そうだ。


 久しぶりに家族が揃って、その日は笑いが絶えなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ