仕留められた。
イリン村に来てから三日後。
ハンターが魔獣を仕留めて帰ってきた。
広場に魔獣の死体が運び込まれた。
イグニというのは、頭部に角のたくさん生えた、猪に似た魔獣だった。けれど、猪よりもずっと大きい。
これが襲ってきたら、大人でもすぐにやられてしまいそうだ。
「さすがハンターだ!」
「凄いな!」
「こんな強そうなの、よく倒せたな」
皆が口々にハンターたちに声をかける。
その中に、一際若いハンターがいて、少女たちに囲まれているのが見えた。
(あれ?あの人…)
よく見ると、女の人のようだった。なのに、男よりも格好いい。…女の子にモテるわけだ。
他のハンターの人が、複雑そうな顔でそれを見ていた。
それを私が眺めていると、一人のハンターが声をかけてきた。
「あれ?君みたいな子、いたか?」
村を出た時にはいなかった私に気付いたらしい。
行商人の娘だと言ったら、ハンターの人たちに店を開いてほしいと迫られた。
困って父に助けを求めると、仕方ないというふうに、明日、もう一度店を開くと言った。
ハンターの人たちも、村長さんの家に泊まることになっていた。
けれどハンターの中に女の人は一人だけなので、私たちと一緒の部屋に泊めてくれと言われて戸惑った。
「私たちもいるのですが…」
父とガハトさんが言ったが、ハンターの男たちと一緒よりはずっといいと、女の人に言われた。
そう言われて、ハンターの人たちも、父たちも、微妙な顔をしていた。




