表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/67

曖昧な結論になった。

 後から現われた男は、ゼリスと名乗った。

 ゼリスはグラドから、クーちゃんが竜ではないかという話を聞くと、どうでもよさそうに言った。

「どっちでもいいじゃないか」

「良くない」

「竜にしろトカゲにしろ、あんなに小さくちゃ問題ないだろ?」

「……」

 ゼリスの言葉に、グラドが詰まった。


「では、もう行っていいでしょうか?」

 父が言うと、グラドは不満そうだったが、ゼリスはいいと言った。

 それでようやく、馬車を進めることができた。


 二人の姿が遠去かっていくのを、荷台から眺めていた。

 グラドが何か言ってるのを、ゼリスが宥めているようだった。


「ねえ、ホントは竜なんじゃないかな?」

 アルディクがそう言って、クーちゃんを見る。

「…竜だったら、イヤ?」

 私が訊くと、首を振った。

「じゃあ、どっちでもいいよね」

「…そうだね」

 曖昧な結論になったけど、竜でもトカゲでも、クーちゃんが可愛いことに変わりはない。


(でも竜みたいに、大きくなったらどうしよう…)

 今心配なのは、そのことだけだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ