寝てばかりだった。
卵の殻を全部食べると、クーちゃんは寝てしまった。
丸くなって眠るクーちゃんを撫でてから、とりあえず卵を貰いに行かなきゃ、と部屋を出た。
卵は隣りに行って分けて貰った。殻があったら欲しいと言うと、肥料用のを分けてくれた。お礼にトカルの実を干した物を渡すと喜んでくれた。
家に帰ってもクーちゃんはまだ寝ていた。膨れたお腹を撫でたらクゥと鳴いたけど、起きない。
そばに卵の殻を少し置いて、部屋を出た。
朝食の後に見ても、まだ眠っていた。頭を撫でたり角を突ついたりしたけど、起きない。
そのまましばらく眺めていたけど、いつまでもこうしてはいられない。今日も薬草採りに行かないと。
いつも通り、薬草と木の実を採って帰り、母の仕事を手伝う。母は薬師なので、患者さんやお客さんの相手をしたり、薬を作ったりと結構忙しい。
小さな村だから、そんなにたくさん来ないけど、外に売るための物も作らなきゃいけないから大変なのだ。
夕食の後になって、やっとクーちゃんが起きた。しかし卵の殻を三個分食べると、またすぐに寝てしまった。
「つまんない~」
頭を撫でると擦りつけるような仕草をしたけど、あとは全然起きない。
母は、赤ちゃんだから仕方ないと言う。
だから、早く大きくなればいいなぁと思ったけど、やっぱり小さいほうが可愛いかな?と少しだけ悩んだ。