サジェスタン村に着いた。
あれから何事もなく街道を進み、二日後にはサジェスタン村に到着した。
サジェスタン村でも歓迎され、村長さんの家に泊めてもらった。
ここでは、双子の息子が私とアルディクにまとわり付いて、旅の話をねだってきた。
私より一つ下の15歳だという彼等は、目をキラキラさせて、外の話を聞きたがった。
アルディクと二人で、これまで通ってきた村の話やマゼンタの街のことを話した。
「いいなぁ〜俺も旅に出たい」
兄の、目が黒いほうの少年が言うと、弟の、目が茶色いほうの少年もうなずいた。
「俺たち、村から出たことないんだぜ」
私も16までは出たことなかったと言うと、アルディクが、自分は10歳で村を出てきた、と言った。
それで、アルディクのいたリンガ村の話になった。
「何もない村だったよ。冬は特に、獲物が捕れなくて、大人たちは街に稼ぎに行ってた」
ゼアルダはとても寒い国で、ここエルダー国とは全然違うと言う。
「ここはすごく暖かくて、来て良かった」
アルディクにそう言われて、なんだかとても嬉しかった。
その後も、ゼアルダの話や、エルダー国に来てからの話などを聞いて過ごした。
――そうして夜が更けてゆき、満足した少年たちは自分の部屋へと帰って行った。




