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宿で過ごした。
次の日も、父は商会に用があるという。なので、私とアルディクは宿で待っていることにした。
父は、昼食は部屋に運んでもらうように頼んであるからと言い、宿の外には絶対に出ないように、くどいほどに念押しされた。
暇だったので、クーちゃんと遊んだり、アルディクと話したり、お風呂に入ったりして過ごしていた。
アルディクは、クーちゃんと遊ぶ時、耳がピンと立って目がキラキラして、とても楽しそうに笑っていた。
夕方になると父が帰ってきた。
少し早いけど、また部屋に夕食を運んでもらって、ゆっくりと食べた。
明日はマゼンタを出発するというので、その夜は早めに寝ることにした。
あんまり街を見て回れなかったけど、人が多くて疲れたから、それほど残念だとは思わなかった。
街ではクーちゃんを外に出せないし、森の中を旅しているほうが気が楽だな、と思った。
村に帰るまで、あと一月。
母とラディを懐かしく思いながら、眠りについた。




