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決意した。
「次の村までは十日くらいかかるからな」
昼食の時に、父が言った。私は知っていたから、アルディクに言ったのだろう。
「旅は慣れてるから、平気」
アルディクがそう応えた。
ゼアルダから来たのなら、私よりもずっと旅慣れているのだろう。
…そういえば、どうしてそんな遠い所から来たのか、訊いてなかった。
「どうしてゼアルダからここまで来たの?」
「母さんが、ハンターの男と一緒に行くって言うから、ついて来たんだ」
ハンターは、魔獣や危険な動物を狩る職業で、流れ者が多いそうだ。
「…お父さんは?」
「俺が小さい頃に死んじゃった」
「そう…」
今でもまだ小さいのに。
捨てられた子犬のようなこの子は、私が目一杯可愛がろうと決意した。




