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竜に似ていた。
アルディクの面倒は、私がみることになった。
父たちより先に部屋に戻ると、さっそくアルディクにクーちゃんを見せた。
これから一緒に旅をするのだからと、今まであまり見せないようにしていたのだが、紹介することにしたのだ。
「これって、竜?」
アルディクが驚いたように言った。
「…竜?って、西大陸にいるっていう、アレ…?」
「昔話の竜にそっくりだよ」
「…でも、こんなに小さいよ?」
「子供だからかな?…それとも竜じゃないのかな?」
「たぶん、竜じゃないと思う」
たぶん、ただの珍しいトカゲだ。
「…そうだよね」
アルディクもそれで納得した。
その後は、何を食べるの、とか、どこで見つけたの、とか色々質問してきた。
…トカゲが嫌いじゃないみたいで良かった。
クーちゃんのことを話しているうちに、父たちがやって来た。
さっさと寝ろ、と怒られた。




