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話し合った。
夕食の時間は、カタル村の時よりゆったりしているような気がした。
相変わらず質問はされるけど、私とアルディクのことを気遣うようなものが多かった。
村の気質の違いかな、と好ましく思った。
食事が終わると、アルディクの今後についての話になった。
父はアルディクに、これからどうしたいか訊いた。
「母親を探すか、ゼアルダに帰るか、それとも他にやりたいことがあるか?」
「…ゼアルダには帰りたくない」
「じゃあ、母親を探すのか?」
アルディクは首を振った。
「母さんのことは、もういい」
「…じゃあ、何かやりたいことは?」
その言葉にも、首を振る。
「…とりあえず、俺たちと一緒に来るか?」
スーシェさんがそう言うと、少し迷った後にうなずいた。
こうして、アルディクも旅に同行することになった。




