事情を聞いた。
店を片付けた後は、村長さんの家に案内された。今夜は、ここに泊めてもらうのだ。
「おや、その子、この間の子じゃないか」
村長さんがアルディクを見て言った。
「この間?」
「三日前に、家に泊めたんだよ」
三日前の夜に、旅の家族が村にやって来て、村長さんの家に一晩泊まったそうだ。
次の日に三人とも出発したのに、どうして子供だけここにいるんだと言われて、父が事情を説明した。
アルディクも言葉少なに、一緒にいた男は父親ではないことと、寝ている間に森に置いていかれたので、二人を追いかけたが見つからなかったということを話した。
村長さんたちは、可哀想にと言ってアルディクを迎え入れた。
父たちは、村長さんと話があるので、私たちは先に部屋に行っているようにと言われた。
アルディクは先に水浴びを勧められたので、私だけ部屋に案内された後、水を貰って身体を拭いた。
アルディクが戻った後は、二人とも疲れていたので、少し横になって休むことにした。
夕食の用意ができたと、家の人に起こされて、いつの間にか寝入っていたことに気がついた。
アルディクも眠っていたようで、目をショボショボさせている。
(結界張るの忘れてた)
寝る時は必ず張るように言われてたのに、母に怒られる、と絶対内緒にしておこうと思った。




